欧州トップ15クラブの最新スタイル【マンチェスター・U】著しく欠ける攻守のバランス

2014年10月23日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

チーム全体の危機管理力は依然として低い。

 就任会見でファン・ハール監督が明言したとおり、シーズン開幕当初はW杯でオランダ代表が採用した3-4-1-2を基本システムとした。しかしながら不慣れな3バックに選手たちは困惑し、攻守両面でバランスを欠いてしまう。やがてCB陣に怪我人が相次ぐと、あっさり方向修正。プレミアリーグ4節以降は4-3-1-2を軸に立て直し、ファルカオやアンデルら期待の新戦力も徐々に個性を発揮するようになった。
 
 とはいえ、チーム全体の危機管理力は依然として低い。ルーニーとディ・マリアが創造性と献身性を見せて豪華アタッカー陣を牽引する一方で、中盤の底でフィルター役を担うブリントに大きな負荷がかかっている。ハイプレスを意図するも組織としての連動性に欠け、一本のパスでカウンターを食らってはピンチを招く場面が頻発。象徴的だったのが5節のレスター戦だ。3-1とリードしながら終盤に怒涛の反撃に遭い、アウェーとはいえ3-5の大逆転負けを喫してしまった。
 
 著しく欠ける攻守のバランス。当面は自慢の攻撃陣の爆発力で、守備面の不安をカバーするほかないか。
 
(ワールドサッカーダイジェスト2014.11.6号より)
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