欧州トップ15クラブの最新スタイル【ミラン】素早いトランジションからのカウンターを志向

2014年10月23日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

リトリート優先の守備は安定感に乏しい。

 プリマベーラ(U-19)から昇格した41歳の若き指揮官インザーギは、独自色を打ち出しながら新たなスタイルの構築に取り組んでいる。
 
 システムはアンチェロッティ時代からの4-3-1-2ではなく4-3-3で、戦術的にもオーナーのベルルスコーニが好む従来のポゼッションとは対極に位置する、素早いトランジションからのカウンターを志向する。DFとMF陣のビルドアップにおけるクオリティー不足を考えれば、妥当な選択だろう。
 
 攻撃ではここまで、メネーズと本田が期待以上の働きぶり。とはいえ、ここ数試合はやや手詰まり感も出ているだけに、速攻の精度をさらに高めたい。キーマンは怪我で出遅れたエル・シャーラウィ、新エースとして迎えたF・トーレスという両スピードスターだ。11月には怪我から復帰予定のモントリーボも、パスの供給源として鍵を握る。
 
 守備は両ウイングもSB手前まで下げ、自陣に入ってからボール奪取を狙うリトリート優先の傾向が強い。ただ、中盤と最終ラインの連係がいまひとつで、まだまだ安定感には乏しい。
 
(ワールドサッカーダイジェスト2014.11.6号より)
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