【横浜】2戦連続スタメン落ちの天野純だが「すごく充実している」のはナゼなのか?

2019年05月26日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

失いかけていた“ギラギラした自分”を実感

出番を待つ天野。前節・神戸戦に続き、途中出場でピッチに立つ。欲しかったゴールは奪えなかったが、積極的にプレーに絡んでアピールした。写真:滝川敏之

[J1第13節]横浜4-0磐田/5月26日/日産スタジアム
 
 終了間際のワンプレーを、天野純は悔やんだ。右サイドで三好康児からのパスに抜け出し、寄せてくる相手を振り切って中に侵入。利き足の左足でシュートを打てる状況でもあったが、最終的に選択したのは左サイドでフリーだった遠藤渓太へのパスだった。
 
「自分で行けばよかった。やっぱり、点は欲しかった」
 
 今の天野にとっては、何よりも目に見える"結果"が必要なのかもしれない。開幕から不動のインサイドハーフだったが、今節の磐田戦と前節の神戸戦、「キャプテン」で「10番」のレフティは2戦連続でスタメンから外されている。その間、チームは連勝を達成。「それは本当に、素直に嬉しい」と語る天野は、いずれのゲームでも途中出場からピッチに立ち、いくつかのチャンスに絡んではいるものの、ゴールを奪うまでに至っていない。
 
「自分としては、ああいうゴールに向かう姿勢だったり、そういうところをもっともっと突き詰めて、相手にとって危険な選手になるのが目標なんで。そこを目指すだけです」
 
 ベンチスタートという現状を踏まえ、天野は自分とどう向き合っているのか。
 
「これまでは、出て当たり前とか、ちょっとそういう気持ちが少なからずあって、ギラギラした感じや、飢えている姿勢が薄れてきたな、とは感じていたんです。でも今は、飢えているというか、メンタルの部分がすごく充実している」
 
 先発落ちでも、モチベーションは下がっていない。むしろ"充実している"と言う。「点が取れないのは悔しい。今まで、点が取れなくてこんなに悔しいことはなかった」。失いかけていた"ギラギラした自分"を感じている。だからこそ、「良いメンタルの状態だし、次にスタメンでチャンスをもらったら、ガンガン行ける」と言葉に力を込める。
 
「他の人からすれば、あいつスタメンから外されている、って思うだろうけど、俺としては、良い休憩というか、自分とまた向き合える良い機会だし、この時間を大切にしたい」
 
 チームは2試合連続4得点の連勝中で好調をキープ。この流れを少しでも長く続けるのが理想だが、いつか調子を落とす時が来るかもしれない。「そういう時に、自分が出て、チームを助けられればいい」。悔しさを原動力に、かつての貪欲さを取り戻し、力を蓄えている天野が今後、どんな"復活劇"を見せてくれるのか、今から楽しみだ。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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