【U-20W杯プレビュー】日本に勝算はあるのか――強豪3か国を相手にどう戦う?

2019年05月18日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

5月23日にエクアドルとの初戦に臨む!

5月7日にメンバーが発表されたU-20日本代表。国内での直前合宿では流通経済大に5-0で勝利した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

■個の能力に頼らず連係面を重視したメンバー構成に
 
 今大会に挑む21名は、6月のA代表招集が見込まれるMFの久保建英と安部裕葵、GK大迫敬介が選外となり、DF橋岡大樹とGK谷晃生も負傷により本大会に間に合わなかった。さらに、一度はメンバー入りしたMF滝裕太も怪我で離脱し、原大智を追加招集するなど、まさに前途多難な状況だ。
 
 攻守の軸が不在のため、影山監督は昨年のU-19アジア選手権を戦った常連組15名に、「U-17ワールドカップも含め、世界と戦う経験をしているなかで、互いを知っている」中村敬斗、鈴木冬一、喜田陽らを加えた。突出した個の能力に頼るのではなく、連係面を重視。規律や約束事も設け、ハードワークを前面に押し出して組織で戦う。
 
 また、「様々なシミュレーションをしながら選んだ」21名は、センターフォワードでも起用可能なDF三國ケネディエブスやボランチより前の全ポジションをこなせる郷家友太など、万能型が多い。影山雅永監督が彼らの特性を活かし、戦況に応じた的確な采配を振るえるかも、勝敗を分けそうだ。

■対戦3か国の特長と注目選手、日本の勝機はどこに?
 
対戦国1)エクアドル 日時:5月23日 20:30(日本時間24日3:30)
 
 エクアドルの最大の武器は堅守で、頂点に輝いた南米予選では9試合中5戦で完封。守護神のラミレスはバネを活かしたセーブや攻撃の起点になるキックも備える。彼のフィードから、同予選で得点王(6ゴール)のカンパーナがしたたかにフィニッシュを狙う。
 
 カンパーナをケアしつつも、堅守を打ち破るべく、攻撃に人数を掛けたい。斉藤光毅や郷家は2トップと連係しながらゴールに迫り、同時に菅原由勢&東俊希の両サイドバックからのオーバーラップを促せれば理想的だろう。厚みのあるオフェンスを仕掛け、先制ゴールを奪いたい。
 
 
対戦国2)メキシコ 日時:5月26日 15:30(日本時間26日22:30)
 
 メキシコの要注意人物は、すでにA代表デビューも果たしているライネス。小気味良いドリブルが武器の小兵サイドアタッカーだ。1月にスペインのベティスへ移籍して12試合に出場。欧州での経験を積んだ良い状態で、ワールドカップに乗り込んでくる。
 
 ライネスを抑えるのが最大ポイントだが、彼には鈴木を当てるべきか。左センターバックには小林友希、左サイドハーフには中村を据え、U-17ワールドカップに出場した選手で左サイドを構成して対抗したい。過去の経験を活かして敵エースを封じれば、勝機は膨らむはずだ。
 
 
対戦国3)イタリア 日時:5月29日 18:00(日本時間30日1:00)
 
 欧州予選2位に貢献したケーン、トナーリ、ザニオーロはU-21かA代表に回る見込みで、相手はベストメンバーを組めていない。ただ、GKプリザーリ、左SBペッレグリーニは有望株であり、とりわけ得点力があるCFのピナモンティは要警戒だ。
 
 急所を突くとしたらトナーリが抜けたアンカーの両脇で、中盤の攻防で勝負したい。そのため、細かいパスワークに優れる藤本寛也や山田康太の起用もありえるか。2トップの一角には、バイタルエリアの狭いスペースでプレーできるFW西川潤が活きるかもしれない。
 
文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)

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