藤本憲明が恩返し弾!女手ひとつで育てた母親へ“母の日ゴール”を贈る

2019年05月13日 佐藤香菜(サッカーダイジェスト)

今季7得点目を挙げ、得点ランク首位タイに

藤本おなじみのゴールパフォーマンス「LT(LOVE TRINITA)」ポーズも披露した。写真:田中研治

[J1リーグ11節]湘南0-1大分/5月12日(日)/BMW

 JFLからJ3、J2へとステップアップし、今季J1に初挑戦する大分トリニータのストライカー、藤本憲明のサプライズはとどまるところを知らない。

 5月12日、J1リーグ11節の湘南ベルマーレ対大分がShonan BMWスタジアム平塚で行なわれ、FW藤本憲明が52分に決めた得点が決勝点となり、0-1で大分が勝利を収めた。

 前半をスコアレスで折り返した後半の立ち上がり48分、FWオナイウ阿道からのロングボールを相手エリア中央で受けた藤本はGKと1対1の決定的なチャンスを得るが、ゴール前まで必死に走り戻ってきたDF坂圭祐のブロックにより、惜しくもゴールを決めることができなかった。

 だがそのわずか4分後、再び好機が訪れる。

 ハーフウェイライン後方の自陣からMF島川俊郎が縦に長いパスを送ると再び藤本が反応。相手エリアで湘南の坂との競り合いを制し、さらにDF山根視来のスライディングをもかわし左足を振り抜くと、ボールは両腕を広げたGK秋元陽太の頭上をすり抜け、ゴールネットを揺らした。

 ゴールシーンについて藤本は、「(ゴール前で)どう持って行こうかなと思っていたけど、(坂と当たった時に)思ったより動けるなと。そこでドリブルしようかなと思ったらまたひとり(山根が)来て……」と、次から次へと表われる湘南の粘り強い守備陣に少々困惑したようだったが、「しっかり相手ディフェンスは見えていたので、落ち着いてかわせました」と振り返り、「シュート(を決められたの)は、正直、気持ちです。(48分の)後半最初のチャンスは決め切れなかったので、次のチャンスは絶対に決め切ってやるという気持ちでいた。そこ(52分のシュート)はしっかり決め切ることができてよかったです」と語った。

 今節の得点により、今季合計7得点目となった藤本。FC東京のディエゴ・オリヴェイラ、札幌のアンデルソン・ロペスと並ぶ得点ランク1位タイに躍り出た。

 また、この日は母の日。母親への良いプレゼントになったのではと藤本に尋ねると、「僕は母子家庭で母親に育ててもらったので、母の日だけじゃないですけど常に感謝の気持ちを持ちながらプレーしています。今日のゴールは"母の日ゴール"ということで(笑)。感謝の気持ちをなおさら伝えられたら」とはにかんだ笑顔を浮かべた。

 今節の勝利で大分は2連勝。次節に向けて藤本は、「ホームで3連勝できるチャンスがある。3連勝と思うとちょっと固くなってしまうので、目の前の試合で勝点3を取れるように、個人としては1試合で1得点を取れるようにしたい」と意気込みを語った。天真爛漫な雰囲気が印象的だった大分のストライカー藤本は、今後どんなサプライズを提供してくれるのか。これからが、さらに楽しみだ。

【湘南 0-1 大分 PHOTO】エース藤本の今シーズン7得点目のゴールで大分が3位をキープ!!

取材・文●佐藤香菜(サッカーダイジェスト編集部)
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