【鳥栖】クエンカが豊田陽平にPKを譲る…ハンドを誘発して「蹴りたそう」なのに、なぜ?

2019年05月11日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「イサックが蹴りたそうでしたけど…」

仲の良さが垣間見えるクエンカ(左)と豊田(右)の2ショット。写真:徳原隆元

[J1リーグ11節]鳥栖 3-1 G大阪/5月11日/駅スタ
 
 J1リーグ11節の鳥栖対G大阪が5月11日、駅前不動産スタジアムで行なわれ、ホームの鳥栖が3-1で快勝した。
 
 先手を取ったのは鳥栖だ。16分、CKからキッカーの原川力が絶妙なボールを送ると、ゴール前でフリーになったイサック・クエンカがヘディングで合わせ、ネットを揺らした。
 
 鳥栖の1点リードで迎えた後半、ホームチームが畳みかける。72分、左サイドから仕掛けたクエンカがクロスを上げると、ボールが対応した相手DFの手に当たり、PKを獲得。これを、豊田陽平が決めて、2-0とした。
 
 この2点目のシーン、実はクエンカとの間で次のようなやり取りがあったと豊田が明かした。
 
「イサックが蹴りたそうでしたけど、僕が『蹴っていいか?』と話しました。ある程度、決める自信はあったので。イサックもCKから点を取っていましたし、いけるんじゃないかと思って声を掛けました」
 
 そして、ハンドを誘発して"蹴りたそう"なクエンカはこう言う。
 
「もちろん、PKの練習はしていましたけど、取ってから『どっち蹴る?』みたいな話になって『蹴っていいよ』と言いました。何故かと言うと、トヨくんに得点を取って、もう一回自信を取り戻してほしかった。そういったものを持っている選手なので、彼の自信がチームに助けになると思ったので、あげました」
 
 スペイン人MFの優しさが生んだPK弾だったようだ。とはいえPK奪取の前には、豊田はロングボールを競り合って起点を作っており、そのポストプレーがなければクエンカのドリブルもなかった。豊田はPKを蹴るに相応しい働きぶりをしていたのだ。
 
 ゲームはその後、両チームともに1点を奪い合い、鳥栖が3-1で勝利した。良好なチームワークはしっかりと結果に結びついている。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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