監督交代にトーレスは「クラブに忍耐がなかった」と語る…早くも劇薬投入の鳥栖は浮上できるのか?

2019年05月09日 荒木英喜

監督交代に選手たちの反応は様々

フェルナンド・トーレスは、カレーラス監督の退任に、「クラブに忍耐がなかった」とした。(C) SOCCER DIGEST

 5月6日、鳥栖がルイス・カレーラス監督の退任を発表した。前日に行われた10節・大分戦でカレーラス監督は体調不良の理由にベンチ入りしなかっただけでなく、腹心だったマルク・ボレイコーチなどもこの試合に姿を見せなかったことを考えれば、事実上の解任と言える。


 昨季、リーグワーストの29得点という得点力不足に陥ったチームの立て直しを託され、今季から指揮を執ったのがバルセロナなどでプレーし、サバデルやマジョルカなどで監督を務めたカレーラス監督だった。沖縄キャンプ、香港で行なわれたルナ・ニューイヤー・カップなどを経てチーム作りを行ない、開幕戦前日には「プレシーズンを通していいトレーニング、準備ができているので、開幕戦でしっかりと良いスタートができると思います」と自信を見せていたカレーラス監督。しかし蓋を開けてみれば、開幕戦から3試合連続無得点で3連敗スタート。大分戦までの9試合で1勝1分7敗の勝点4で最下位。得点は1点のみと託された仕事を果たせずチームを去ることになった。
 
 監督交代に選手たちの反応は様々だ。高橋義希は「責任はすごく感じています。選手というか現場でやっていた責任も大きいと思うし、監督には申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ、そうは言っても試合は来るし、今の鳥栖の状況は厳しい状況。悲しいですけど、そこに気持ちを向けている場合でもない」と、前監督の目指したサッカーを体現できなかった責任を感じながらも前を向いた。また、前監督と一緒にプレーした経験のあるフェルナンド・トーレスは「今までとは完全に違うことを取り入れようとして、ルイスはそれを持ってきて、そういった新しいことには時間がかかるもの。クラブに忍耐がなかったということですよね」と話した。

 昨季、マッシモ・フィッカデンティ監督解任後にJ2降格の危機に瀕したチームを立て直してJ1残留に導いた金明輝コーチが、今回も監督に昇格することになった。7日の就任会見では「ポゼッションとかカウンターとかそういうことではなく、ゴールを奪うための道筋を選手たちと一緒に共有する。パスを細かくつなぐとかロングボールを蹴るとかそういう部分もすべて融合しながら、相手を見て、自分たち主導でサッカーをしていく」と目指すスタイルを示した。

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