シャルケ 政権交代の真相 ディ・マッテオ新監督招聘でチームはどう変わる?

2014年10月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

安定感の欠如が監督交代の理由。

11-12シーズンにはチェルシーをCL優勝に導いたディ・マッテオ。この新監督の下、シャルケはどう変わるのか。 (C) Getty Images

 ブンデスリーガ7節のホッフェンハイム戦で1-2の惜敗を喫した3日後の10月7日、シャルケが政権交代に踏み切った。イェンス・ケラーを更迭し、元イタリア代表MFのロベルト・ディ・マッテオを新監督に招聘したのだ。2011-12シーズンにチェルシーをクラブ史上初の欧州制覇に導いた44歳の下、2勝2分け3敗(11位)と出足に躓いたリーグ戦での巻き返し、グループGの2位タイにつけるチャンピオンズ・リーグ(CL)での決勝トーナメント進出を目指すことになる。
 
 12年12月から指揮を執っていたケラーに見切りをつけたのは、スポーツディレクターのホルスト・ヘルト曰く「安定感の欠如」が理由だ。実際、チェルシーと激突したCLのグループステージ初戦で敵地ながら引き分けに持ち込み、ブンデスリーガ6節では宿敵ドルトムントを2-0で叩く勝負強さを見せた一方で、格下相手に幾度となく取りこぼしていた。
 
 安定感を欠いたのはジェフェルソン・ファルファンやベネディクト・ヘーベデスら主軸に負傷離脱者が相次いだこと以上に、攻守両面で組織的なメカニズムを構築できなかった点が大きい。ウインガーとSBが有機的に絡むサイドアタックを除けば、攻撃はユリアン・ドラクスラーやクラース=ヤン・フンテラールなどの個人技頼みでいわば即興的。守備は能動的なプレッシングをかけるケースが滅多になく、4バックが後手に回るシーンが少なくなかった。ディ・マッテオにはもちろん、そうした短所の改善が求められる。
 
 スイス生まれのディ・マッテオは流暢なドイツ語を操ることができ、選手とのコミュニケーションで支障をきたす心配はなく、チェルシー時代に超が付くほどの守備的なサッカーを見せたとおり、守備の立て直しにはお誂え向きの指揮官だ。
 13年春頃にも接触を試みていたシャルケにとっては、1年半越しのラブコールが実ったように見える。もっとも、このイタリア人が本命だったわけではない。優先順位が高かったのはマインツ前監督のトーマス・トゥヘルや、クラブOBで現ベルギー代表監督のマルク・ヴィルモッツであり、ディ・マッテオは次善の候補に過ぎなかったのだ。

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