鹿島、最下位・ジョホールに初勝利を献上し、ACLグループ突破に暗雲…最終節は首位の山東魯能と対戦

2019年05月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

アウェーでマレーシアの雄に0-1敗戦

L・シルバは、後半に運動量を上げて存在感を放ったが……。(C)Getty Images

 アジア・チャンピオンズリーグ(以下、ACL)のグループステージ5節、グループEのジョホール・ダルル・タクジム対鹿島アントラーズの一戦は5月8日、ジョホールのホーム、タン・スリ・ダトー・ハジ・ハッサン・ユヌススタジアムで行なわれ、鹿島が0-1で敗れた。
 
 鹿島は昨シーズンのACLで5ゴールを挙げたセルジーニョをはじめ、レオ・シルバ、安部裕葵らをスタメンで起用。土居聖真、チョン・スンヒョンらがベンチスタートとなった。
 
 試合の立ち上がりは、ホームのジョホールがポゼッションで優位に立った。アウェーに乗り込んだ鹿島は、深い芝生の感触を確かめるように慎重に入り、守備もやや受けるような形で自陣にブロックを敷く。そうして迎えた13分、徐々に試合のリズムを掴んだアジア王者は、狙い通りにカウンターで右サイドを突破し、最後はL・シルバがシュート。さらに、こぼれ球に反応したセルジーニョが左足で狙ったが枠を外れた。

 この一連の攻撃でリズムが出てくると、左サイドバックの安西幸輝も高い位置まで進出してクロスを供給する。守備でも出足が鋭くなり、ジョホールの縦パスをインターセプトする場面が増えた。
 
 しかし、連戦の疲労と高温多湿の気候が鹿島の体力を消耗させた。前半も半ばを過ぎると動きがやや鈍り始める。それでも時折見せるカウンターは迫力があり、29分には左サイドを抜け出した安部がクロスで惜しいチャンスを作った。

 一方、直後の31分にカウンターを受けてピンチを迎える。相手のもたつきに助けれられて何とかしのいだが、一歩間違えば先制点を奪われてもおかしくなかった。
 
 前半の終盤には伊藤がクロスに合わせて決定機を迎えたが、シュートは大きく上へ。結局、両チームともにゴールを奪えないまま前半は終了した。

 0-0で迎えた後半は、鹿島が主導権を握って試合を進める。運動量が上がってきたL・シルバが縦横無尽にピッチを駆け、攻守の局面に顔を出す。また、右MFの遠藤康がボールを持つ時間が増え、シンクロするように右サイドバックの永井亮太が攻撃参加の回数を伸ばした。
 
 だが、徐々に中盤でのプレッシャーが弱まってくると、ジョホールに反撃を許す。69分、犬飼智也が緩慢な対応でFWアハマドの突破を許すと、GKクォン・スンテのセーブも及ばずに先制点を献上したのだ。
 
 鹿島はその後、71分に土居聖真、75分に金森健志を投入。さらに、83分に山口一真と、次々にフレッシュな攻撃の駒を送り込んで1点を狙う。87分には左からクロスを送り込むも、相手DFがクリア。90+1分にセットプレーのこぼれ球を拾ったL・シルバがミドルを放つも、相手DFに当たってゴールネットを揺らせない。さらに90+3分には、町田浩樹の落としを受けた伊藤がエリア内でフリーになり、決定的なシュートを放つが無念にも枠の外へ……。結局、そのまま試合は終了し、鹿島が0-1で涙を飲んだ。
 
 4節終了時点で1分3敗と最下位に沈んでいたジョホールに初勝利を献上した鹿島は、グループ2位以下が決定。勝点7で2位につけているが、3位の慶南FCとの勝点差は2で、最終節の結果次第ではグループステージ敗退の可能性が出てきた。
 
 22日に鹿島ホームで行なわれる最終節では、すでに首位通過を決めた山東魯能と対戦する。果たして昨シーズンのアジア王者は、この難局を乗り切れるだろうか。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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