【ACL展望】広島×広州恒大|引き分け以上でGS突破の大一番!思い返すべき14年の苦い記憶は…

2019年05月08日 中野和也

広島――「勝点1でもいい」という状況がどう働くか。

故障者/広島=青山、井林、D・ヴィエイラ
出場停止/広島=川辺

ACLグループステージ第5戦
サンフレッチェ広島-広州恒大
5月8日(水)/19:00/広島広域公園陸上競技場
 
サンフレッチェ広島
今季成績(グループF):1位 勝点9 3勝0分1敗 5得点・3失点

【最新チーム事情】
●勝点1でも決勝トーナメント進出が決定。
●中盤で攻撃のタクトを振るっている川辺が出場停止の影響はどうか。
●前線の選択肢は様々。視点をどう捉えるかによって判断は変わる。
 
【担当記者の視点】
 勝点1以上であれば文句なし。もし敗れたとしても、大邱FCがメルボルン・ビクトリーに敗れた場合は、それでも決勝トーナメント進出が決定する。非常に優位な立場で、広州恒大戦を迎えることになった。
 
 ただ「勝点1でもいい」という状況は、特に日本人の場合、ネガティブに作用しがちだ。例えば2014年ACL決勝トーナメント1回戦、ホームでウェスタン・シドニーに対して3-1と先勝した広島は、引き分けなら文句なし、敗れても0−1であれば突破が決まる状況下で0−2と敗戦。掌中にあったベスト8進出をアウェーゴールの差で失ってしまった。
 
 守備の戦術はあっても「守備の文化がない」(トルシエ元日本代表監督)日本にあって、守りきるという意識に陥ると難しくなるのは「ロストフの一夜」で証明されている。
 
 だからこそ、選手を選択することに対する難しさがある。例えばFWをどう考えるか。守備のスイッチを入れるために皆川や渡を選択する可能性はあるが、「守備」を意識させすぎないためにパトリックを起用する手もある。
 
 シャドーにしても、中4日という時間を考えれば、野津田・柴﨑のリーグ戦組の起用は可能だが、リーグ戦3連敗中という事情を考えると、東や森島といった大邱FC戦で結果を残した若者たちを使っていく手もある。最終ラインにしても、アウェー大邱で活躍した荒木を起用する方法もあるだろう。
 
 広州恒大は直近の中国超級リーグで首位を走る北京中赫国安に敗戦。メルボルン・ビクトリー戦でも引き分けるなど、決してチーム状態は良いとは言えないが、そこはアジア屈指のビッグクラブ。「負けなければいい」という中途半端なメンタルで臨むことだけは、慎まないといけない。

取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)
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