大迫と代わった40歳の老獪FWがブンデスのゴール記録更新! ドルトムントは7年ぶりの優勝が遠のくドロー…

2019年05月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

渾身のボレーで値千金の同点弾!

力強いボレーでチームを救ったピサーロ。その存在感は際立っていた。 (C) Getty Images

 現地時間5月4日に開催されたブンデスリーガ第32節で、大迫勇也が所属する9位ブレーメンは、本拠地で2位ドルトムントを迎え撃った。

 この試合で3試合ぶりに先発復帰した大迫は、4-4-2の2トップの右に配置された。

 試合はキックオフから間もない6分にドルトムントが均衡を破る。ショートカウンターから敵陣を抜け出したプリシッチが一気に独走。相手GKとの1対1も難なく制してみせた。

 前節に開催されたシャルケとのダービーマッチで退場となった大黒柱のロイスをサスペンションで欠いたものの、6試合ぶりに先発で抜擢された俊英のゴールで先手を取って勢いに乗ったドルトムントは、素早くパスを繋いでゲームを支配していった。

 一方のブレーメンは受け身に回りながらカウンターからドリブラーのラシチャを起点に攻撃を展開。15分には、そのコソボ代表MFのクロスに大迫が渾身のダイビングヘッドで狙ったがシュートは枠を外れた。

 その後、少しずつブレーメンが盛り返し、相手ゴールへ迫る時間が続いたが、前半終了間際の40分にドルトムントが貴重な追加点を奪取する。敵アタッキングサードの中央でFKのチャンスを得ると、キッカーのアルカセルが壁に入った大迫の頭上を射抜く絶妙なシュートをゴール右隅へ決めた。

 効率よく得点を重ねたドルトムントは、後半に入ってからあえて自陣に下がって、カウンターを狙うスタンスに切り替える。57分にはオフサイド判定で取り消されたものの、アルカセルがゴールネットを揺らすなど、鋭い攻撃を繰り出していった。
 
 公式戦3連敗中の流れが影響して、どこか勢いに欠けるブレーメンは、60分に大迫を下げて、40歳の大ベテランFWピサーロを投入して打開を図ると、この交代策が功を奏す。攻勢に出たホームチームは、相手のミスから1点を返すことに成功する。

 70分、敵バイタルエリアのこぼれ球を拾ったメーバルトのミドルシュートを相手GKビュルキがまさかのトンネル。股間を抜けたボールがゴールへと吸い込まれたのである。

 ラッキーな形ながら追い上げたブレーメンが一気に流れを掴むと5分後に同点弾をねじ込む。ドルトムントDFがゴールキックを奪おうとゴールラインでボールを見送ろうとしていたところで足を伸ばしたアウグスティンソンがエリア中央へボールを折り返すと、これをピサーロが左足一閃。強烈なボレーはビュルキの手をかすめてゴールに突き刺さった。

 自身が持っていたブンデスリーガの最年長ゴール記録を更新するピサーロの値千金弾で、あっという間に試合を振り出しに戻したブレーメンは、なおも攻め続け、ドルトムントを自陣に釘付けにする。

 自分たちのミスから失点し、後半途中までの戦いぶりが嘘のように精彩を欠いたドルトムントは、83分にダフードとラーセンという攻撃的なカードを切って、パワープレー気味の攻撃に出たが、同点となって動きにキレが出たブレーメンから勝ち越し点を奪うことは叶わなかった。

 結局、試合は1-1で決着。押し込まれながらも5分間で追いついたブレーメンは、来シーズンのヨーロッパリーグ出場に臨みを繋ぐ勝点1をゲット。一方、優位に立ちながら勝利を逃したドルトムントは、首位バイエルンとの勝点が4に広がって、残り2節を残しているものの、7年ぶりのブンデスリーガ制覇に黄色信号が灯る格好となった。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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