「15億ユーロの投資に疑問を抱き…」カタールがパリSGを手放す!? 仏地元紙が仰天ニュースをすっぱ抜く!

2019年05月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

仏メディアからのバッシングを理由に…。

ネイマール(右)やエムバペ(中央)、カバーニ(左)らワールドクラスのタレントを有するパリSG。世界屈指の金満クラブを支えているのがQSIの資金力だ。 (C) Getty Images

 2011年5月にパリ・サンジェルマンを買収したのが、カタールの投資庁の子会社であるカタール・スポーツ・インベストメント(QSI)だ。以来、潤沢な資金を背景に、数々の大型補強と世界的なブランド展開を行ない、クラブは瞬く間に欧州屈指の強豪へと上り詰めた。

 だが2022年に母国で開催されるワールドカップを目途に、QSIがパリSGから手を引くことになるかもしれない。

 そんな仰天ニュースをすっぱ抜いたのは、パリを拠点とする日刊紙『Le Parisien』だ。同紙は今月3日、「パリSGのオーナーグループであるQSIが、クラブへの投資の見直しを検討している」と報じたのだ。

 同紙によれば、QSIの買収以来、パリSGは過去8年で約15億ユーロ(約1950億円)を使って、デイビッド・ベッカムやズラタン・イブラヒモビッチ、エディンソン・カバーニ、ネイマール、キリアン・エムバペなどの世界屈指のタレントを引き抜き、さらに様々なブランド戦略を打ち立ててきた。だが、QSIは投資価値に疑問を抱き始めているという。

 その最大の理由は、フランスのメディアから受けている激しい批判であるという。パリSGは、クラブのブランド力は急激な成長を見せているものの、ピッチ内でそれに伴う結果を残しているとは言い難い。チャンピオンズ・リーグ(CL)などで敗北のたびに痛烈なバッシングを国内メディアから受けている。そのことで、逆にカタールのイメージが損なわれているのではないかと、同グループは不信感を募らせているようだ。

 また、フランスの税率は他国よりも際立って高いため、8年で約10億ユーロ(約130億円)以上を納めているQSIは、投資の見直し計画を進めているという。
 
 英紙『Telegraph』は、その見直し計画の一環としてQSIが、投資の幅を広げようと考えており、アストン・ビラやノッティンガム・フォレスト、QPRといった英2部クラブやイタリアのローマかミランを買収するプランを企てていると報じている。

 しかし、欧州サッカー連盟(UEFA)は、同一オーナーが所有できるクラブが、CLやヨーロッパリーグといった欧州のコンペティションに同時に出場することを禁じているため、仮にQSIが新たなクラブを買収し、そのクラブが大きな成功を収めた場合、パリSGの支配権を手放す可能性がある。

 しかし、『Le Parisien』は、「QSIのパリでのプロジェクトは、世界のサッカーシーンにおける信頼の確立が目的」としたうえで、「母国の一大イベントとなる2022年のワールドカップを前に撤退することは、敗者のイメージが付きかねないため、ありえない」と断じている。

 2011年から、まさに世界のサッカーシーンに革命を起こしたパリSG。その背景にあったQSIの資金力がなくなれば、クラブ崩壊の危機に繋がりかねない。今後の動きが注目される。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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