【セルジオ越後の天国と地獄】狙いはどこに? アギーレの選手選考に疑問

2014年10月09日 週刊サッカーダイジェスト編集部

1か月前に抜擢した選手を簡単に切る。見る目がない証では?

一貫性がなく、狙いが見えにくいとセルジオ氏はアギーレ監督の選手選考に疑問を呈す。 (C) SOCCER DIGEST

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※週刊サッカーダイジェスト10.21号(10月7日発売号)より

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 10月10日のジャマイカ戦と14日のブラジル戦に臨む日本代表のメンバーが発表されたね。
 
 香川と権田がワールドカップ以来、ハーフナーが昨年10月以来、太田と西も久しぶりに復帰した。さらに小林、昌子(後に負傷で辞退)、塩谷らが今年4月の候補合宿以来の選出となったけど、前回に続いて今回もまた、僕は首をかしげてしまったよ。
 
 3人目のGKを代えて、アギーレ監督はなにがしたいんだろう。林のなにが悪かったのか、じゃあ権田はなぜ前回呼ばれなかったのか。はっきり言って意味不明だ。
 
 それに、絶好調のガンバの宇佐美が呼ばれず、首位を走るレッズからも西川しか選ばれなかった。逆に中位のFC東京から4人も選出されている。そういえば前技術委員長も、現技術委員長もFC東京の出身だから、推薦でもしているんじゃないのかな。そう勘ぐりたくもなる人選だ。
 
 また、依然として欧州組至上主義というのも気になった。ハーフナーも田中も柿谷も、クラブで出場機会を失っているのに選出された。アギーレ監督は欧州組に関して「15日前にリストを送らなければならない」と言った。でも、レターを送ったからと言って必ず招集しなければいけないわけじゃない。現に前回、香川や原口は直前に怪我をして、招集を取りやめている。
 
 前回、皆川や坂井ら実績のない選手を呼んでおいて、今回呼ばなかったことにも疑問を感じるよ。クラブでも出番が少なかった選手を抜擢して、すぐに切ったということは、「自分に見る目がなかった」と言っているようなもの。経験の浅い選手を呼ぶからには、長い目で見る必要がある。そうじゃなければ、その選手の将来のためにも呼ぶべきではなく、機が熟すまで待つべきなんだ。
 
 あと、吉田が怪我で辞退し、グランパスの田口が追加招集された。センターバックのレギュラーが負傷したのに、代わりに呼んだのが若いボランチというのも腑に落ちない。森重をセンターバックで起用すればいいという判断なのかもしれないが、それなら前回、森重をアンカーで起用し、今回わざわざMF登録にしたのは、なんだったんだろう。新監督がなにを考えているのかよく分からないのは、僕だけではないはずだ。
 
 こちらに狙いがはっきりと分かるように、ジャマイカ戦ではきっちりと結果を出してほしい。

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