日本代表「欧州駐在強化部員」藤田俊哉氏に訊く――南米選手権のメンバーは五輪代表の強化を視野に入れてもいい

2019年04月18日 小須田泰二

欧州駐在強化部員として、欧州組の現状把握と新たな戦力の発掘に努める

欧州組駐在強化部員として日本代表のスタッフ入りした藤田氏。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 オランダ・VVVフェンロでコーチとして活躍したのち、本場・イングランドのリーズ・ユナイテッドの強化スタッフ入り。現役引退後、欧州クラブの監督を目指し、活躍の場を海外に移した藤田俊哉氏は、長年培った海外でのキャリアを活かすべく、昨年9月から「欧州駐在強化部員」という日本協会の新ポストに就任した。"世界の目"を持つ日本代表のキーマンに直撃する月一連載インタビュー。第1弾となる今回は、新ポスト就任の経緯などについて話を伺った。
 
――◆――◆――
 
――日本代表スタッフ入りして以来、8か月が経ちました。新生活はいかがでしょうか?
 
 とくに変わっていないよ。ずっとオランダを拠点に生活しているのは同じだから。インターナショナル・マッチウィークに日本に帰国して、代表チームに帯同することになって、以前よりもフライトが多くなったくらいかな。日本代表戦になったら帰国するという生活は、海外組の選手と一緒。代表選手の場合はなおかつ、試合もこなさなければいけない。長時間の移動を強いられながら、高いパフォーマンスを求められる。あらためて代表選手の逞しさを感じているよ。
 
――欧州駐在強化部員。改めて新ポストに就いた経緯について聞かせてもらえますか。
 
 去年のロシア・ワールドカップ後に、関塚(隆)JFA技術委員長からこの話を頂いた。欧州でプレーする日本人選手が多くなったいま、彼らの所属クラブとのリレーションをこれまで以上に深める必要がある。その他にはリアルタイムで試合の情報を把握し、代表チームに還元することも重要になるから、その役割を担ってほしいと。日本代表や東京五輪世代チームの候補選手のプレー状況を視察して、現状を把握し、新たな戦力を発掘するのが主な役割となる。客観性をもってリアルタイムに定点観測する人間を置いておくことは、代表チームにとって大事なことだから精一杯のことをしたい。
 
――3月のコロンビア、ボリビアとの2連戦ではピッチレベルの業務もサポートするようになりました。
 
 今回の2連戦を迎えるにあたって、森保監督から「サポートしてもらえないか」とリクエストがあった。もともと、自分にできることはなんでもしたいという気持ちでいたから、すぐに引き受けた。通常は横内(昭一)コーチと斉藤(俊秀)コーチが中心となってサポートしているけど、横内コーチが五輪代表チームに行く場合は、斉藤コーチが横内コーチのポジションを担うことになる。その穴を埋める形として、自分がピッチ内でサポートすることになった。なによりチームがうまく回ることが大事だから、こうやって柔軟に対応していくことも必要じゃないかなと。個人的にもいろんな経験をさせてもらえているし、すごく貴重な時間を過ごしているよ。
 

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