「過度の喜び」の定義とは? ルールを変えた山形ブラジル人FWのバズーカ・パフォーマンス

2019年04月17日 嶋守生

昨年は4回やっても警告を受けなかったパフォーマンスに警告が! いったいなぜ?

3月17日の大宮戦で披露したジェフェルソン・バイアーノのバズーカ・パフォーマンス。この後に、警告が出されることに。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 3月17日のモンテディオ山形対大宮アルディージャ戦で、20分にゴールを決めたジェフェルソン・バイアーノのゴールパフォーマンスが警告を受けたことで話題となった。
 
 コーナーフラッグを抜き、銃に見立ててサポーターへ撃つ「バズーカ・パフォーマンス」と呼ばれるものだが、公式記録によると、警告の理由は「C1:反スポーツ行為」で、「過度の喜び」による反スポーツ行為だと見なされた。


 しかし、今回の件で一番納得がいかなかったのは、クラブ側とバイアーノ本人だった。
 
 そもそもこのバズーカ・パフォーマンスは、昨年在籍していた水戸でも何度か披露されていて、水戸サポーターからも好評だったものだ。
 
 2018年6月10日の18節・アウェー栃木戦で初披露した時には、"銃口"が栃木側のベンチとその先の栃木サポーターへ向いていたため明らかな挑発行為と見なされたという。それを反省したバイアーノは「ホームゲームでホームのサポーターに向けてやる」と公言し、それ以降はKsスタジアムで水戸サポーターに銃口を向けるスタイルで、4回パフォーマンスを行ない、いずれも警告を受けなかった。
 
 昨年の段階から、警告を受けないよう本人も試行錯誤しており、すでに「ホームゲームでホームのサポーターに銃口を向けるなら警告は受けない」という実績を4回も作っていた。しかし今回、同じパフォーマンスをしたところ、警告を受けてしまったのだ。
 同じパフォーマンスなのに、主審によって警告を出すか出さないかのジャッジがブレてしまうのでは、さすがに納得できない。
 
 大宮戦の後、モンテディオ山形の高山明泰強化部長は、審判委員会に「去年まで警告が出なかったのに、今回出たことに関して釈然としない。その統一性が無いことに問題はありませんか?」と問い合わせている。
 
 数日後、高山強化部長はこう返答を受けたという。
「『昨年の段階で、このパフォーマンスは警告の対象という事実だけがあったようで、今回警告を出した中井敏博主審もその切り取った事実だけしか知らなかった。だから今回もその事例に則ってイエローカードを提示した』、とのことです」
 

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