名古屋の左サイドで躍動! 風間監督のもとで進化する吉田豊は、代表に選ばれても不思議じゃない!

2019年04月11日 竹中玲央奈

風間監督のスタイルにマッチするのか、不安もあったが…

今季加入した名古屋でリーグ戦6試合すべてに先発フル出場を果たしている吉田。不動の地位を築いている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 あまりにも過小評価されているのではないか―ー。
 
 4年間在籍し、キャプテンマークも巻いた鳥栖を離れて、今年から名古屋にやって来た吉田豊は多くのサポーターにこう思わせ、驚きを与えている。
 
 昨夏、横浜F・マリノスから加入した吉田と同じ左サイドバックの金井貢史は、持ち前の攻撃センスで観る者を魅了し、劇的な残留の立役者のひとりとなった。その時にも驚きはあったものの、今回の吉田が見せているインパクトはかなり大きい。

 いきなりの古巣対決となったアウェーの鳥栖戦で名古屋デビューを果たすと、鋭いオーバーラップからクロスでジョーのゴールをアシスト。その後、6節終了時までのリーグ戦6試合すべてにフル出場し、そのすべての試合で攻守における能力の高さを発揮。不動の地位を築いている。

 断続的に繰り返される上下動に豊富な運動量というのが、多くのファンが抱く吉田のイメージであろう。これまでのキャリアで証明してきたタフさとダイナミックさは、間違いなく彼のストロングポイントである。その点に関しての能力の高さは間違いなく、何よりトップカテゴリで複数年に渡ってチームの主力として活躍してきた選手。そうした期待感はあった一方、風間八宏監督のサッカーに合うかどうかという点に一抹の不安があったのも事実だ。
 
 しかし、ふたを開けてみるとそれは杞憂に終わった。指揮官が特に守備時に求める"1対1で負けない"という部分は申し分なく、これまで対峙してきた数々のアタッカーをほぼ封殺。セットされた1対1では無類の強さを発揮している。チームに初めて土がついた第4節のFC東京戦では久保建英ともマッチアップしたが、大きな仕事はさせず。「17歳でしたっけ?…ではないですね」と驚きは持ったようだが、期待の新星をしっかりと抑えた。
 
 名古屋は複数年に渡るオファーを出したなかで彼の獲得に成功したのだが、それもうなずける活躍ぶりである。
 
 吉田はいま、1対1での強さという自身の特長を存分に表現しつつ、名古屋の地で新たなスキルを磨いている。それは、最終ラインでのつなぎの部分に加え、単なる縦への突破やオーバーラップにとどまらない攻撃参加だ。
 

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