「ズウォーレは新しいカルトヒーローを見つけた」欧州デビューを果たした中山雄太、オランダで赤丸急上昇中

2019年04月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

サポーターの期待値は高い

エールディビジ2試合目を大きなミスもなく乗り切った中山。チームメイトやサポーターから祝福を受けた。 (C)Getty Images

 若きサムライの台頭を、地元サポーターは熱狂的に歓迎しているようだ。

 オランダ・エールディビジの第29節が現地時間4月6日に行なわれ、ズウォーレはホームにフォルトゥナ・シッタルトを迎え、5-0と大勝した。

 ズウォーレに所属するU-22日本代表の中山雄太は、68分にピッチに登場。5点をリードし、かつ数的有利(35分にシッタルトのCBブラシニアフ・ナージュがレッドカードで退場)な状況で投入され、試合終了までの20分強を左CBでプレーした。

 中山は、2022年夏までの3年半契約で、今冬に柏レイソルからズウォーレに完全移籍。現在22歳で、3月に開催されたU-23アジア選手権予選にも参加しており、来年に迫った東京五輪での活躍も期待されている。

 3月30日のエメン戦で82分からピッチに立って欧州デビューを飾り、このシッタルト戦は2試合目の出場だった。

 数的優位とあって押し込まれるシーンはさすがに少なかったが、ゴール前に放り込まれたクロスに対して大型FWと競り合い、頭で冷静にクリアするなど、始終落ち着いてプレー。完封勝利に貢献した。

 中山は試合後、仲間たちから背中を叩かれて健闘を称えられただけでなく、サポーターからも大きな声援を受けた。

 オランダのサッカー専門誌『ELF VOETBAL』は、中山についてこう評している。

「5ゴールで快勝したズウォーレのスタジアムは、まるでパーティ会場のようだった。そんななか、ズウォーレの観衆は新しいカルトヒーローを見つけた。中山雄太は後半からピッチに入り、彼がボールを保持した際にはサポーター席から大きな声援が飛んだ。GKのミッキー・ヴァン・ハートは、この愉快なゲームで日本人のDFに意図的にボールを回していたようにも見えた。

 もちろん、5点リードした(楽な)展開だったのは前提としてあるが、中山はチームの目玉であった。極東からやってきた若者はいずれ、この若手が台頭するクラブにおいて、"普通"ではない自身の価値を証明するような気がする」

 「カルトヒーロー」とは、そのチームの最高の選手とは限らなくとも、その人間性やエピソードによってファンを虜にする選手を指す。まだ入団して間もない中山だが、その真面目なキャラクターとプレーぶりは、現地サポーターにとって期待の星であるようだ。

 リーグ戦は残り5試合。中山にどれだけチャンスが巡ってくるかは分からない。だが、オランダの地で、着実に経験値を上げているのは間違いない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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