なぜサウジ移籍を断ったのか? 吉田麻也が昨夏の移籍騒動を語る! 「確かにオファーはあったけど…」

2019年04月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

「昔はマドリーやバルサでプレーしたいと思ったけど…」

24歳の時に鳴り物入りでサウサンプトンへ加入した吉田も、今やチーム最古参のベテランだ。 (C) Getty Images

 プレミアリーグで7年ものキャリアを積み上げた日本代表キャプテンは、いま、何を求めてプレーしているのか――。現地時間4月8日、「特集:マヤ・ヨシダ」と銘打たれたクラブ公式サイトのインタビューに登場した吉田麻也が、自身の去就に関して口を開いた。

 2012年8月にオランダのVVVでの活躍が認められてサウサンプトンに入団した吉田は、世界各国の名手たちとのマッチアップを繰り広げながら、ポルトガル代表のジョゼ・フォンテ(現リール)、オランダ代表のファン・ダイク(現リバプール)、ベルギー代表のトビー・アルデルワイレルド(現トッテナム)といった実力派DFたちとポジション争いを演じてきた。

 今月6日に行なわれたリバプール戦(プレミア第33節)を終えた時点で、プレミアの通算出場試合数は日本人最多の「143」を数えた吉田には、移籍の噂がなかったわけではない。昨年5月にはサウジアラビアの名門アル・ヒラル行きの話が世間を賑わせた。

 潤沢な資金力を有するサウジアラビアでプレーすることは、今以上の高給を得られることを意味する。しかし、吉田はそのオファーを蹴って、サウサンプトンと2020年6月までの契約を更新。さらに今年3月には英国の永住権も手にした。
 
 なぜ、プレミアリーグの中堅クラブに残ったのか? 日本代表DFは、「確かにサウジアラビアから打診があった」と認めたうえで、その真意を語っている。

「僕はお金のためにプレーしてはいない。サウサンプトンとは良い契約を結んでいるし、仮に他のプレミアリーグに所属する同等のレベルのクラブから100万ポンド(約1億4000万円)を上積みされたオファーを受け取ったとしても、サウサンプトンに残り、友人たちとともに美しいキャリアを終わらせることを選ぶ」

 さらに「他の国からオファーがあった場合には、世界の異なる部分を見ることを選ぶかもしれない。でも、僕はファンやこのクラブの人と良い関係性を築けている」と雄弁に語った吉田は、インタビューの最後をこう締めくくっている。

「良い時も、悪い時もあったけど、僕はまだここにいる。もちろん、レアル・マドリーやバルセロナでプレーしたいと思っていたけど、今じゃそれが実現できるとは思えない(笑)。僕はスティーブン・ジェラードのように、同じチームにとどまってキャリアを終えたいんだ。いや、スティーブン・ジェラードじゃないな……。ケルビン・デイビス(元サウサンプトンGK)の方が良いね!」

 サウサンプトンに骨を埋める覚悟を語った吉田。世界最高峰のプレミアリーグで生き残ってきた30歳のベテランDFのプレーには、この先も目が離せない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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