【浦和】125日ぶりに帰ってきた武藤雄樹が示した「光明」と「課題」

2019年03月31日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「自分の良さが出たところもあった。でも…」

昨年11月ぶりのリーグ戦出場となった武藤。トップコンディションとは言えないものの、53分に持ち前の推進力を発揮した。(C)SOCCER DIGEST

[J1リーグ5節]浦和1-1FC東京/3月30日/埼玉スタジアム2002

 ようやく戦列に帰ってきた背番号9、武藤雄樹が、浦和が浮上するためのキーマンとなるかもしれない。

 2019年3月30日のFC東京戦(J1・5節)で武藤は、リーグ戦では昨年11月24日の湘南戦(33節)以来125日ぶりの出場を果たした。

 長期離脱の原因は、昨年12月5日に行なわれた天皇杯・準決勝の鹿島戦で負った右足首の負傷。同月9日の仙台との決勝戦では怪我をおして出場したものの、その後は治療の期間が続いていた。

「僕は1試合でも早く試合に出たいと思っていましたけど、オリヴェイラ監督と相談しながら復帰の時期を待っていました。一度実戦に戻れそうになってから、ちょっとアクシデントがあって、また別メニューの練習になってしまったから、そういうこともあって、無理をせず、一旦落ち着こうと。それで、この中断明けで、万全の状態でいこうということになったんです」

 満を持して戻ってきた久しぶりのリーグ戦で武藤は光明を示した。

 ハイライトのひとつは53分。敵陣の中央からミドルシュートを放ったシーンだ。シュートは惜しくもポストに阻まれたものの、自らが起点となりリターンを受けたスムーズな展開は、今季これまでの浦和にはなかなか見られなかった崩しだった。

 武藤は戦列を離れている間、「なかなか攻撃でリズムを作れない試合が多かったので、僕が出たらボールを引き出しながら、攻撃のリズムを生み出せたらいいなと思っていた」という。

 とはいえ、まだまだトップフォームとは程遠かった印象だ。「復帰していきなり90分出られたのは大きい」というように体力面には問題はなかったものの、ボールコントロールでミスが散見され、DFに囲まれるとボールを失う場面が多かった。

「攻撃の形は作れていたシーンもありましたし、自分の良さが出たところもあった。でも、そこからFC東京の堅い守備を破るというところで、中央を突破するまでにはいかなかった。そのへんは課題です」

 ただし、この日はあまり見られなかった本来の突破力や機動力が戻れば、攻撃の迫力不足に喘ぐチームにとって起爆剤となるはずだ。

「これから、さらにコンディションは上がっていくと思うので、次はもっと良いプレーを見せられるように頑張りたい」

 このFC東京戦でJ1通算200試合出場を達成した30歳のストライカーが、再起を期す。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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