アルゼンチン代表引退のイグアイン、過去の批判に“恨み節”を展開! 「僕は3回も決勝に行ったのに…」

2019年03月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

「家族が苦しむ姿が耐えられなかった…」

イグアインはアルゼンチン代表としての約10年に及ぶキャリアで、メジャー大会3度の決勝進出を果たしていた。 (C) Getty Images

 現地時間3月28日、チェルシーに所属するゴンサロ・イグアインは、『FOX SPORTS ARGENTINA』のインタビューで、アルゼンチン代表から引退することを発表した。

 フランス国籍を所有するイグアインは、2006年にフランス代表に招集されるもこれを固辞し、07年に市民権を得たことを機に、アルゼンチン代表入りを表明。そして、2009年10月10日に行なわれた南アフリカ・ワールドカップ(W杯)南米予選のペルー戦で代表デビューを飾ると、いきなりゴールを決めるという華々しいスタートを切った。

 その後、「セレステ・イ・ブランコ(アルゼンチン代表の愛称)」の常連となったイグアインは、それぞれ3度のW杯(10、14、18)、コパ・アメリカ(11、15、16)に出場。うち14年W杯と15年、16年のコパ・アメリカでは決勝に進出したが、頂点には立てなかった。

 通算75試合に出場して31ゴールを記録した点取り屋は、昨夏のロシアW杯から代表チームから離れていたが、今回のインタビューで「僕のアルゼンチン代表でのサイクルは終わった。これからは、代表の試合は外から見守るよ」とコメントし、さらにその心境を語った。

「スカローニ監督との話し合いで、僕は引退することを伝えた。この決断に満足している。これからは、より家族と過ごす時間を楽しみたいと思っている」

 また前述の通り、イグアインは3度の決勝に出場しながら、不発に終わっている。1993年のコパ・アメリカ制覇以来となるメジャータイトル獲得はアルゼンチン国民の悲願であるがゆえに、彼には戦犯として多くの批判が浴びせられたものである。

 現在31歳のストライカーは、そうした批判への持論を、皮肉交じりに告白している。

「僕の決断で、幸せになる人たちもいるんじゃないかな。これで君たちは、僕が代表チームに入るかどうかを心配する必要はなくなるからね。

 アルゼンチンでは、価値がないものが、本来、価値があるものより重視される。予選でのゴールやパフォーマンスだって重要なのに、一部の人間には価値がないとされている。その証拠に、多くの人は僕が決めたゴールよりも、外したチャンスのことばかりを話す」

 話すうちに、気持ちがさらに高ぶってきたイグアイン。"恨み節"は止まらない。

「一人の人間に批判が集中した時、チーム全体が痛みを味わうんだよ。それを理解する人は、ほとんどいない。僕は代表のために全てを尽くしてきたが、その間に多くの批判を受け、家族が苦しむ姿を見てきた。それが耐えられなかった」

「僕たちには、勝つために何かが足りなかったかもしれない。でも、僕らは3回も決勝に行ったんだ。しかも、そのうちの一つはW杯だ。それを『失敗』と言われた気持ちが分かるかい? 誰も決勝に辿り着くまでのプロセスを評価しようとはしない。今の代表が、決勝に戻れるかは分からない。それを話すのは難しい……。でも、とても厳しいだろうね」

 相次ぐ批判に悩まされ続けた代表キャリアに終止符を打ったイグアイン。今後はクラブでの活躍に専念することになるが、果たしてどのようなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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