【日本代表】打っても、打っても入らなかったコロンビア戦。攻撃不振の原因はどこに?

2019年03月24日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

コロンビアの守備は嫌らしく、そして頑強だった

堂安のドリブル突破は果たして効果的だったのか。写真:サッカーダイジェスト

[キリンチャレンジカップ]日本 0-1 コロンビア/3月22日/日産スタジアム
 
 2019年3月22日に日産スタジアムで行なわれたコロンビアとのテストマッチは0-1で敗戦。64分にラダメル・ファルカオに決められたPKが決勝点となり、森保ジャパンになって初めて完封負けを喫してしまった。
 
 敗因は、コロンビアの守備陣を崩しきれなかった攻撃陣にあるだろう。相手を圧倒したかに見えた前半でさえ、日本がエリア内で掴んだ決定機はおそらくひとつ。37分に中島翔哉のパスから鈴木武蔵がヘッドで狙ったそのシーンを除けば、コロンビアのCBコンビの裏を取っての絶好機は後半を含めてもなかったはずだ。
 
 日本にとって厄介な選手に映ったのはコロンビアのボランチコンビ(ウィルマル・バリオスとヘフェルソン・レルマ)と両CB(ジェリー・ミナとダビンソン・サンチェス)である。この4人で固める中央部の守りは堅固で、堂安律や中島にドリブルでカットインされても結果的に崩れなかった。シュートコースを切って、たとえミドルを打たれても枠外がGKの守備範囲、そんな守り方で彼らは日本の攻撃を受け流しているように見えた。
 
 ペナルティエリアの外から打たせるぶんには構わないという余裕が、もしかするとコロンビアにはあったのかもしれない。コロンビアのカルロス・ケイロス監督が「日本の特徴や強さはよく分かっていました。アジリティとスピードと技術レベルがものすごく高い。日本の攻め方は縦パスが主体なので、前半のテーマはそれを受けずに仕事をさせないことだった」とのコメントからもそうした傾向は窺える。
 
 振り返ると、エリア内で効果的な縦パスが入ったのは7分の好機(柴崎岳のスルーパスから堂安がシュートを狙ったシーン)くらいか。いずれにしても、この日のコロンビアの守備は嫌らしく、そして頑強だった。
 
 中島や堂安のドリブルを主体とした日本の攻撃は上手さが光る一方で、怖さがあまりなかった。オフェンスに重厚感がなかった一因は、この日A代表にデビューしたFWの鈴木武蔵がポストプレーヤーとして十分に機能していなかったところにあるだろう。実際、身体を張っていたものの、たとえボールを収めてもそこからの展開が乏しくリズムを生み出せなかった。
 
 快足が売りの鈴木を前線で使うなら、彼を裏のスペースに走らせるようなロングボールをもっと使っても良かったのではないか。そういうやり方で鈴木にコロンビアの両CBを食いつかせ、それで空いたスペースを堂安や中島に有効活用してもらえれば彼らのドリブルでより深い位置、敵のペナルティエリア内に切り込めたかもしれない。
 

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