【U-17代表】193センチの大型CBが示した進化。東京Vユースの佐古真礼に芽生えたリーダーとしての自覚

2019年03月22日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

193センチで左利き。変わるきっかけはトップチームのトレーニング!

見違えるほど逞しい姿を見せた佐古。トップチームの練習にも参加しており、今後の成長が楽しみなひとりだ。(C)SOCCER DIGEST

 3月17日から21日まで、福島県のJヴィレッジで合宿を行なったU-17日本代表だが、そのなかでひと際その高身長が目立つ存在がいた。佐古真礼(東京Vユース/2年)だ。193センチの身長は、GKなどと比べても頭ひとつ抜け出ており、その規格外の高さは世界基準。加えて、稀有な高身長&左利きのCBでもある。その才能に森山佳郎監督も大きな期待を寄せてきた。

 昨秋のU-16アジア選手権ではレギュラーを掴めなかったものの、限られた出番の中で与えられたタスクを遂行。今秋開催されるU-17ワールドカップの出場権獲得とチームの優勝に貢献した。

 もちろん、その後も…。といきたいところだったが、クラブで定位置を掴めず、緩慢な守備などでも課題を露呈。それ以降は代表に招集されず、悔しい想いを味わった。
 
 ただ、この期間が佐古にとってプラスとなる。日の丸は遠ざかったが、今季はトップチームのキャンプに参加。練習試合などにも出場し、プロのレベルを同年代ではいち早く知った。

 そこで芽生えたのが、「世代を牽引する」自覚だ。久々に戻ってきた代表では「この年代であれば、自分がリーダーシップを持ってやらないといけない。トップチームのキャンプなどで感じた経験をどれだけ出せるかが必要」と言い切り、合宿最終日となった21日の紅白戦では見違えるようなプレーを見せた。

 4-4-2の左CBを務めると、類まれな高さと正確なフィードで守備を統率する。そして、何より大きな変化はリーダーシップだった。元々、"しゃべるタイプ"のDFではある。だが、この日は積極的に味方を鼓舞し、苦しい時間帯になれば、誰よりも厳しい声を掛け続けた。
 
「U-17ワールドカップの最終予選(U-16アジア選手権)に呼んでもらい、試合やベンチから見ている中で声掛けが必要だと感じた。そこは意識しないといけない。絶対に大事な部分だと思うので、基準を高く持って自分がやらないといけないし、CBとして周りを動かしていく意識を持ってやっています」

 元々、痛感していた課題だが、トップチームでの経験が佐古を一回り大きくさせたのだ。

「競争をしながらこの年代全体がレベルアップしていけばいい」と森山佳郎監督が話した通り、大型CBの成長がチームに与える影響は大きい。世界の舞台で間違いなく佐古の高さは武器になるだけに、彼の変貌は本人にとってもチームにとっても、大きなプラス材料と言えそうだ。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェスWeb編集部)
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