新潟で勃発した"助っ人サバイバル"!「4枠を7人」で争う構図を用意した意図は?

2019年03月21日 大中祐二

新潟のスタメンに『特区』は存在しない。

4節の横浜FC戦は2-1で勝利。89分にカウエが決勝点を挙げた。写真:田中研治

 今季2勝目を挙げた4節・横浜FC戦は、外国籍選手をめぐる「初」が続いた。ガイナーレ鳥取から加入した昨季J3得点王のFWレオナルドが、自ら獲得したPKを決めて、新潟初ゴール。MFシルビーニョが初先発。「キャリアで一番、良いパフォーマンスができていた新潟で、もう一度プレーしたい」とチーム始動前日に再加入したチョ・ヨンチョルが、途中出場し、8年ぶりにプレー。さらに開幕から4試合連続でフル出場し、89分に劇的な決勝ゴールを決めたカウエを含め、チームとして1試合でプレー可能な外国籍選手4枠を、初めてフル活用した試合になった。
 
 4枠を、今季のチームはブラジル人6選手、韓国人のチョ・ヨンチョルの7人で競う。さらに、チーム全体の登録選手は33名という大所帯だ。チームにとって、前年から同じ監督が率いるのは4年ぶりとなる片渕浩一郎監督の選手起用は、長いシーズンを戦う上での重要なカギとなる。
 

 選手個々の力をフルに生かし、勝利をめざすのが当然の前提だ。だからこそ、外国籍選手の出場4枠は、常に保証された『特区』ではない。外国籍籍選手の中で競争するのと同時に、日本人選手とも競い合う構図がそこにある。実際、開幕の京都サンガF.C.戦でメンバーに名を連ねたのは、先発したカウエとレオナルドの2名のみ。2節・千葉戦では、そこに初めてベンチ入りしたシルビーニョが加わり、3節・柏戦ではシルビーニョが途中出場して新潟デビューを果たした。そして4枠を初めてフル活用した、4節の横浜FC戦である。
 
 例えばレオナルドに注目するとき、『特区』は存在しないことがよく分かる。チャンスに何度も絡みながら無得点に終わった千葉戦のオフ明けには、片渕監督は居残りでのシュート練習を命じ、さらに続く柏戦でも不発と見るや、翌週の練習後に通訳を交えたマンツーマンで青空ミーティングを実行。「去年のJ3の得点王であろうが、我々には関係ない。必要なのは今、結果を出せるストライカー。途中交代の時間も早くなってきているし、レオ自身、危機感を持っていると思う」と、ハッパを掛けた。
 

次ページ派手な撃ち合いはないが、見応えは十分だ。

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