【U-21日本代表】「中東らしくない」チーム、パレスチナを撃破しベスト8なるか?

2014年09月24日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

ポイントはいかにスピードに乗ったプレーができるか。

セットプレーのトレーニングに励む選手たち。パレスチナ戦へモチベーションは高い。(C) SOCCER DIGEST

 いよいよ決勝トーナメントの戦いが始まる。2位通過したU-21日本代表のラウンド16の相手はパレスチナ。手倉森誠監督は「ものすごく機能的。ボールを持つことに自信がある」と分析している。口々に「中東らしくない」と印象を語る選手たちも、「つないできて、組織的にやるチーム」(野津田岳人)「ガツガツ来るけど、技術の高い選手が多くて、A代表の選手も何人かいると聞いている」(喜田拓也)などと警戒を強めている。
 
 前日練習では、サーキットトレーニング、9対9、CKやFKのセットプレー、PKなどのメニューを精力的にこなしたが、ここ数日の練習の雰囲気は、開幕当初に比べてより活気に満ちており、選手たちのテンションも高まってきているようだ。
 
「日が経つにつれて、みんなのコミュニケーションが深まってきて、練習中も自然と声が出るようになってきていますね」(秋野央樹)
 チーム全体の士気が上がってきていることは喜田も感じているようで、「それは私生活からもそうで、明確にこれっていうのはないんですけど、雰囲気は良くなってきているし、同じことをイメージしていたり、共有できたりする場面も多くなっている」という。
 
 負ければ終わりの一発勝負。ここからは、なによりも結果が最優先されることになる。秋野は「みんな絶対に最後まで残ろうという気持ちでいますし、ここまで来たら相手も強くなってくるから、一戦一戦、死ぬ気で戦わないと」と強い決意を露わにする。
 
 戦術面の注目点は、いかに「スピードに乗って動きながらプレーできるか」(手倉森監督)だ。特に攻撃では、中央、サイドに関わらず前線につけるパスを起点に、3人目の動き出しなど連動した崩しでゴールに迫る形が多く出れば、得点のチャンスも増えるはずだ。
 
 守備では、まだ完璧に統率しきれていないラインコントロールに若干の不安を抱えるものの、ブロックを組むか、ハイプレスを仕掛けるかの状況判断を的確に下しながら、キープ力に優れる相手に粘り強く食らいつき、ルーズボールへの素早い対応でピンチを未然に防ぎたい。
 
 国際舞台では、あまり馴染のない相手だが油断はできない。しっかりと叩いて連覇に向かって弾みをつけたい。
 
取材・文:広島由寛(週刊サッカーダイジェスト)
 
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