脆さを露呈したG大阪…開幕3戦8失点に潜む看過できない問題点

2019年03月11日 サッカーダイジェストWeb編集部

開始3分で失点した開幕戦の横浜戦に続き、名古屋戦では34秒で…

名古屋相手に2-3で敗戦。宮本監督は開始34秒での失点を「あってはならない失点だった」と悔やんだ。写真:早草紀子

 拮抗した90分間だったが、G大阪の失点はすべて、サッカー界のセオリーで危険とされる時間帯だった。立ち上がり、点を取った直後、そして終了間際。特に開始34秒、右サイドを崩されて名古屋FW赤崎秀平に決められた失点を、宮本恒靖監督は「1分の失点はいただけないというか、あってはならない失点だった」と表現した。これまでは敗れた後でも淡々と試合を振り返ることが多かった指揮官だが、この時ばかりは表情や口調に怒りがにじんでいるように見えた。
 
 試合前のミーティングでも、指揮官は「しっかりとしたディフェンスから入ろう、またコンタクトの強さをしっかり出していこう」と選手たちに呼びかけたという。破壊力のある名古屋を相手に、まず守備から試合を落ち着けようという意図からだ。それでも開始3分で失点した開幕戦の横浜戦に続き、キックオフ直後に失点したのだから、宮本監督のいらだちも理解できる。

 スタメンで最年少の24歳ながらキャプテンを務めるDF三浦弦太は「立ち上がりの失点はもったいないし、(2失点目の)セットプレーも準備が遅かった。みんな集中はして入っているとは思いますけど、いろいろな要因がある」と振り返る。頭で分かっているはずが、ピッチで実行できない。昨季同様、まだ絶対的な守備のリーダーが確立されていないようにも見える。

 今季加入したDFキム・ヨングォンは、38分にゴール前へ送られたFKのシーンで名古屋MFジョアン・シミッチに競り負けて失点に絡んだ。経験も実績も誇る韓国代表DFには声でチームを動かし、引き締める役割も期待されているはずだが、ここまではまだ影響力は発揮できていないように映る。
 
 一方、攻撃はこの日もオウンゴールとPKとはいえ2得点。1-2の67分、自陣ゴール前でのピンチを防ぎきると、GK東口順昭が中盤に残っていた遠藤保仁に鋭いスローインでボールをつなぎ、遠藤から左サイドのアデミウソンへつないでカウンターを発動。アデミウソンは自らペナルティエリア内に持ち込み、倒されて得たPKを決めた。この試合でも抜群のキレをみせたアデミウソン、そして韓国代表FWファン・ウィジョという縦への推進力が高い2トップを生かす高速カウンターは、今後さらに精度を磨いていけば大きな武器になる可能性は感じさせた。

次ページ今野は「守備だけの問題じゃない。攻撃の組み立てが上手くいっていない」と浮かない表情を見せた。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事