ペレス会長に啖呵を切ったS・ラモス。マドリーが退団させるにはいったいいくらかかる!?

2019年03月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

全国紙は「キャプテン以上の存在」と会長に翻意を促す

ピッチ内外で存在感を示し、マドリーの精神的支柱として振る舞ってきたS・ラモス。仮に放出となればそのダメージは計り知れない。 (C) Getty Images

 それは欧州屈指の名門にあるまじき情けない内情が晒されるニュースだった。

 現地時間3月5日、チャンピオンズ・リーグ(CL)ラウンド・オブ16の第2レグが行なわれ、王者レアル・マドリーがアヤックスに1-4と敗戦。2戦合計3-5で屈辱的な逆転負けを喫した。

 前人未到のCL4連覇の夢が儚く散ったマドリー。その試合後のロッカールームの雰囲気は最悪そのものだったようで、スペイン紙『AS』は、フロレンティーノ・ペレス会長と主将のセルヒオ・ラモスの口論をすっぱ抜いた。

 同紙の報道によれば、試合後、意気消沈するロッカールームで選手たちを「恥ずべき内容だ」と非難したペレス会長に対し、第1レグで出場停止処分を言い渡されていたため、この試合を欠場していたS・ラモスが「何を言っているんだ!? 恥ずべきはクラブのマネジメントのほうだろ」と反論。さらに同選手はペレス会長から放出を匂わされると、「契約中のカネ(違約金)を払ってくれるならすぐに出て行ってやる」と"ブチギレ"たという。

 スタッフを含めたチーム関係者全員が見ている前でかわされたマドリーの絶対的権力者と主将の大激論は、今シーズンの不振の象徴的な出来事として大きな波紋を広げた。
 
 この"内紛騒動"で何よりも注目されたのは、S・ラモスが言い放った「カネを払ってくれるならいつでも出ていってやる」という部分だ。この言葉を切り取り、その金額がいくらになるのかをAS紙が取り上げている。

 同紙によれば、現在32歳のS・ラモスはマドリーと2021年6月までの契約を結んでおり、そこまでの給与が保証されている。そのため、仮にクラブがいますぐにその契約を解除して強引に追い出した場合、違約金として約2年分の給与に相当する2500万ユーロ(約31億円)の支払いが必要になるという。

 また、マドリードに拠点を置いている全国紙『Marca』は、「セルヒオ・ラモスはキャプテン以上の存在」として、ペレス会長に翻意を促すような記事を掲載。そのなかでS・ラモスについて次のように記している。

「彼はこれまでどんな危機的状況に置かれてもチームを守ってきた。いまや監督のように振る舞い、ソラーリがいないところでは、重要なモチベーターとなっている。もはや現在のマドリーにおいて上層部に意見できるのは彼だけだ」

 幾多の栄冠をエル・ブランコ(マドリーの愛称)にもたらしてきたS・ラモス。両者の関係はこのまま破綻の時を迎えてしまうのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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