「韓国のメッシ」と「北朝鮮の至宝」がイタリアで初の直接対決!軍配が上がったのは?

2019年03月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

昨シーズンは両者ともセリエAでプレーするも…。

 イタリア・サッカー史上初めての対決が実現したのが、3月8日(現地時間)に開催されたセリエB第28節のペルージャ(7位)対ヴェローナ戦(5位)だ。

 セリエA昇格プレーオフ圏内(8位以内)にいる両チームの激突ということ以上に注目を集めたのが、ペルージャの北朝鮮代表FWハン・グァンソンとヴェローナの韓国代表FWイ・スンウの初対決だった。

 カリアリからレンタルされている20歳のハン・グァンソンは、北朝鮮人として初めて欧州4大リーグでプレーした同国の至宝。昨シーズン前半もペルージャに貸し出され、17試合・7得点と活躍して18年冬にカリアリに復帰したものの、セリエAの舞台では結果を残せず、18年夏に再びペルージャへ武者修行に出された。

 一方、バルサの下部組織出身で「韓国のメッシ」の異名を取る21歳のイ・スンウは、17年夏にヴェローナに加入。1年目の昨シーズンは、14試合に出場して1ゴールに終わった。

 昨シーズンのセリエA、そして今シーズン最初のこのカード(第9節)ではともに出場がなく、ふたりが対戦する機会はこの試合が初めてとなった。
 
 イ・スンウが4-3-3の左ウイングで先発したのに対し、ベンチスタートだったハン・グァンソンに出番が回ってきたのは、0-2とリードされて迎えた66分。ついに、両雄が同時にピッチに立った。

『Gazzetta dello Sport』紙によると、韓国人選手と北朝鮮人選手が同時にプレーするのは、長いイタリア・サッカーの歴史においてこれが初めてという。

 結局、85分に1点を返したペルージャの反撃も及ばず、1-2でヴェローナの勝利。暫定ながら自動昇格圏の2位まで浮上している。

『Tutto Mercato Web.com』の採点(10点満点)では、イ・スンウは及第点以上の6.5点。「奮闘し、4回ほどチャンスを作り出した。最後の局面での判断ミスもあるが、トライする姿勢は間違っていない」との寸評だ。

 途中出場のハン・グァンソンは6.0点。「出場できたのは良かったが、見るべきポイントはなかった」との評価だった。この採点通り、今回はイ・スンウに軍配が上がったと言えそうだ

 とりわけヴェローナは有力な昇格候補で、ハン・グァンソンも活躍次第でカリアリに復帰する可能性もある。来シーズンはセリエAの舞台でふたりの対決が見られるかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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