「怒りがこみ上げてくるんだ」ドイツ代表から“構想外”通告を受けたミュラーが本音を激白!

2019年03月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

自撮りのメッセージ動画で赤裸々に

直近の代表戦で通算100キャップを達成していたミュラー。29歳にして突然の“構想外”を宣告された。(C)Getty Images

 ドイツ代表から"構想外宣告"されたバイエルン・ミュンヘンのカリスマが、自身のSNSで異例の声明だ。

 3月5日、ドイツ代表のヨアヒム・レーブ監督は、これまで長きに渡って主軸を張ってきた3選手を今後招集しないと公表した。いずれもバイエルン所属のトーマス・ミュラー(29歳)、マッツ・フンメルス(30歳)、ジェローム・ボアテング(30歳)のトリオだ。レーブ監督とオリバー・ビアオフSDがバイエルンのクラブハウスを訪れ、みずから選手たちに説明したという。

 最大の理由は、急務となっている世代交代を断行するため。ボアテングは「悲しい気持ちはあるが、監督の決断を尊重したい」と一定の理解を示した。だが、ミュラーは納得がいかないようだ。ツイッターとインスタグラムに自撮りのメッセージ動画を投稿し、こう心境を明かしている。

「もちろん監督の決断には驚いた。代表チームの監督はスポーツ面での決断をしなければいけないし、この点について僕はなんら疑念は抱いていない。ただ、今回のやり方はどうなんだろう。考えれば考えるほど、怒りがこみ上げてくる。一方的に決定事項を伝えられて、納得できない自分がいるんだ」

 感情を抑えながら淡々と語るミュラー。「マッツ、ジェローム、そして僕はいまでも国際大会の最高レベルでプレーできる。DFB(ドイツ・サッカー連盟)とともに長い間、もっと言えばほとんどの時間で成功を掴んできた」と主張し、「こんな酷い仕打ちを受けるとは思っていなかったし、敬意を欠いている。僕はあのジャージ(代表ユニホーム)に誇りを持ち、すべてを捧げてきた。みなさん(ファン)にはこれまで支えてくれて本当に感謝したい。本当に最高のジャージだった」と、熱い言葉で締めた。

 
 バイエルンもクラブとして、DFBとレーブ監督の行動に苦言を呈している。

 カール=ハインツ・ルンメニゲ会長、ハサン・サリハミジッチSDの連名で声明を発表し、代表チームのセレクションについて意見を挟む余地はないと前置きしつつ、「失望しているのは、前回の代表戦(昨年11月)から3か月半も経ってからなされた決断であり、いまこのタイミングで公表すべきことなのかという点。週末(ヴォルフスブルク戦)や週明け(チャンピオンズ・リーグのリバプール戦)に大事な試合を控え、選手たちやファンに与える影響は小さくない」と疑問視。しかも、レーブ監督とビアホフSDが"アポなし"で突然クラブハウスにやって来たことも「驚きでしかなかった」と綴っている。

 成績不振が続き、過渡期にある前世界チャンピオン。歴戦の勇士たちが後進に取って代わられるのは世の常ながら、今回のレーブ監督が取った手法は、やはり配慮を欠いたものと捉えられても致し方ないか。DFBとドイツ代表チームのカオスは、いまだ終息の気配を見せていない。

 3月24日に幕が上がるEURO予選。新生ドイツ代表はその初戦で、いきなり宿敵・オランダ代表と激突する。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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