アヤックスは現地時間３月5日、チャンピオンズ・リーグ（CL）ラウンド・オブ16の第２レグでレアル・マドリーと対戦し、４-１の勝利を飾った。

　ホームで１-２で敗れて迎えた、敵地サンティアゴ・ベルナベウでのリターンマッチ。前半の18分までに２ゴールを奪うと、さらに後半にも２点を加え、欧州３連覇中のマドリーを逆転で抑えてベスト８入りを果たした。

　この試合で１ゴール２アシストという驚異的な働きを見せ、オランダ・メディアから絶賛されたのが、アヤックスのドゥシャン・タディッチだ。このチームの選手がCLで２アシストを記録したのは、クリスティアン・エリクセン（現トッテナム）以来、８年ぶりのことだという。

 『NU SPORTS』は、この試合で今シーズンのCLでの記録を６ゴール4アシストに伸ばしたセルビア代表FWのコメントを紹介している。

「今日の試合は、僕のサッカー人生においてベストの試合だったかもしれない。世界最高のクラブと対戦し、こんな試合ができたことは本当にスペシャルなことだ。僕は、この勝利を成し遂げるためにアヤックスに来たんだと感じるよ。トゥベンテやフローニンヘンにいたときから、こんな瞬間を夢見ていた」

　オランダのフローニンヘン、トゥベンテ、そしてイングランドのサウサンプトンと渡り歩いたタディッチは、今シーズンからアヤックスに加わった30歳。国内リーグで23得点を挙げる活躍を見せたことで、バイエルンが来夏の獲得を狙っているとも報じられ、その移籍金は5000万ユーロ（約65億円）に上るのではないかと報じられている。

「僕らは、とてもリラックスした状態で試合に入ることができ、心から楽しめた。今、チーム全員で、偉業を達成するという目標を共有できていると感じる。今後もこの調子で勝ち進めれば、仲間、ファン、スタッフ、経営陣みんなで、今シーズンの成績を誇ることができる。今日のことは誇らしいけど、まだ終わったわけじゃない」

　そう語ったタディッチは、自身のSNSでアヤックスのサポーターに向けても同様のメッセージと称賛を発信した。これに対し、サポーターは「シビれたよ、最高の男だ」「今シーズン、これだけ活躍している彼を、いったい誰が止められるのか」「奇跡を起こそう！」とエールを送っている。

　欧州王者を破り、さらに勢いに乗るであろうアヤックス。その核となるタディッチの活躍に、今後は世界中から注目と期待が集まりそうだ。

　なお、アヤックスの準々決勝の対戦相手は、３月15日に行なわれる組み合わせ抽選会で決定する。