ハンドの判定見直しへ! 国際サッカー評議会が来季からのルール改訂を発表…一体どう変わる?

2019年03月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

そのほか6項目のルール改訂も決定

これまで曖昧となっていたハンドの基準をはじめ、IFABは多くのルールを改訂することを決定した。 (C) Getty Images

 これまでサッカー界において幾度となく物議を醸してきた「ハンド」に関するレフェリングの見直しが決まった。現地時間3月2日、英公共放送「BBC」は、国際サッカー評議会(IFAB)が、来シーズンから「ハンドの基準を変更するとした」と報じた。

 サッカーの長きに渡る歴史において、ディエゴ・マラドーナの神の手、ティエリ・アンリの幻ゴール、ルイス・スアレスの両手ブロックなど、ハンドにまつわるシーンは枚挙にいとまがなく、その度に議論が交わされてきた。その物議を醸してきた行為を見直そうとサッカーの競技規則を定めるIFABが動いた。

 同評議会は2日にスコットランドのアバティーンで開かれた総議会において、「攻撃時に意図していないハンドが得点や決定機に寄与した場合、FKからのリスタートとなる」と、より厳格化することを決定したのだ。

 これまでのサッカー競技規則第12条では、「プレーヤーが意図的にボールを手で扱った場合(ペナルティエリア内のゴールキーパーを除いて)にのみ、フリーキックまたはペナルティキックが与えられる」とされてきたが、今回のルール改訂によって故意ではない場合もハンドと見なされることが決まった。

 これについて、IFABのテクニカルディレクターを務めるデイヴィッド・エレライ氏は以下の様に説明している。

「意図的なハンドボールが依然として反則であることに変わりはない。これまで、私たちは意図の有無ではなく手に当たった後の結果に焦点を当てることで規則を改善してきたが、今回は特に攻めている状況に関して着眼した。そのなかで手や腕に接触した結果として、ボールを確保またはコントロールすることによって、明らかに不公平な結果を生むという点は改善しなければならないと判断した」

 さらに同氏は、「たとえ偶然によるものであっても、手や腕に当たったボールがそのままゴールに入った際の得点や、あるいは手や腕に当たって保持やコントロールされた後のボールが得点につながったり、決定機につながったりした場合は反則になる」と説明している。

 さらに「BBC」によれば、IFABはハンドの明確化に加えて、以下6項目のルール改訂も承認されたという。

「交代で退く選手は最も近い境界線からフィールドを離れなければならない」
「チーム関係者の不正行為にもイエローカード、レッドカードが提示される」
「ゴールキックまたはエリア内での守備側FK時にはエリア外に味方が出る必要はない」
「FK時に守備側が作る壁に攻撃側は1メートル以上の距離を置かなくてはいけない」
「主審にボールが当たった時はドロップボールで再開する」
「PKの際、GKはゴールラインに片足だけを置いておけばよい」

 なお、今回の新たなルールが施行されるのは今年6月1日からとなっており、各国リーグには猶予期間が設けられている。
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