【松本】先月亡くなったかつての戦友・ダニエルへ捧げるゴール。永井龍の決勝弾に込められた想い

2019年03月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

「亡くなったダニエル選手は自分を成長させてくれた.」(永井)

かつてのホームで決めた千金弾。永井はお世話になったダニエルとクラブに成長した姿を見せられたことを喜んだ。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 松本に4年ぶりのJ1勝利をもたらしたのは、永井龍だった。
 
 3月2日、開幕戦で磐田と引き分けた松本は敵地で大分と対戦。終始、相手にボールを握られる展開となったものの、50分に千載一遇のチャンスが巡って来る。前田大然のシュートが相手DFに当たり、こぼれ球を左サイドの高橋諒が拾う。ここからクロスを入れると、大分のCB鈴木義宣がクリアミス。バーに当たったこぼれ球を永井が押し込んで決勝点を挙げた。
 
 試合後、永井はフラッシュインタビューで殊勲弾について言及。「本当に誰が見てもごっつぁんゴール。でも、本当にチームみんなで取ったゴールだと思います」と話した。
 
 ただ、この日のゴールに永井は様々な想いが込み上げてきたとも言う。自身にとって大分は2015年の3月から7月まで在籍した古巣だからだ。そうした思い入れのあるチームから奪った決勝点について、「自分を成長させてくれたクラブから今季初勝利を取れた」と喜んだ。
 

 成長した姿を見せる結果となったが、このゴールに想いを増幅させた理由はもうひとつあったようだ。在籍当時のチームメイトであるダニエルが、患っていた肺がんによって今年2月10日に36歳という若さで亡くなったからだ。

 名古屋などでもプレーしたダニエルは大分に2014年9月から2016年まで在籍。J3で戦った2016年には主将を任され、リーダーとしてチームを牽引していた。
 
 ともにプレーした期間は僅か4か月と短い。それでも多くのことを学ばせてもらった偉大な先輩には特別な想いがある。

「亡くなったダニエル選手は自分を成長させてくれたので、恩返しになったのかは分かりませんが成長した姿を見せられたのではないかなと思います」

 自身のゴールで大分から掴んだ今季初勝利。永井にとって、クラブだけでなくダニエルに対しても最高の恩返しになったに違いない。
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