横浜FCもチャンスは作ったが、決定機らしい決定機はなかった
L・ドミンゲス(40番)を軸とした攻撃にも、何かしらの変化が必要だろう。写真:徳原隆元
2月24日に長崎で行なわれたリーグ開幕戦を見る限りでは、良くも悪くも昨シーズンと変わりはなかった。事実上2年目となるタヴァレス政権の継続性は明らかで、今季も最後まで昇格争いに絡むであろうことが推測される。逆に言えば、新鮮な驚きを与えてくれるルーキーの活躍がなかったのが残念だが。
採用したフォーメーションは慣れ親しんだ3-5-1-1。3バックの前にアンカーひとりとインサイドハーフふたりを配置し、左右のウイングバックは守備時には引いて5バックを形成する。この日は、インサイドハーフに中里と渡邊一を起用。昨季終盤に定位置を確保していた齋藤功と瀬沼より、守備の計算が立つ中里と渡邊を選んだところに、開幕戦を迎えるにあたって慎重に入ったタヴァレス監督の意図がうかがえた。
途中出場となった齋藤功は、昨シーズン途中からの活躍で自信をつけたようで、今季は最初から戦力になってくれそうだ。気がかりなのは、昨季ラスト数戦で調子を落としていたイバのパフォーマンスが、この試合でも今ひとつだったことだ。前を向いてゴールに迫るシーンはあまりなく、ボールが収まらないため攻撃の起点としても機能しない。年齢による衰えとは考えたくないが……。大きな武器となっていた右ウイングバックの北爪のスピードも、この日の長崎が封じたように、どの相手クラブも対策を練ってくるだろう。なにかひと工夫加えるか、あるいは中山の起用もありか。
採用したフォーメーションは慣れ親しんだ3-5-1-1。3バックの前にアンカーひとりとインサイドハーフふたりを配置し、左右のウイングバックは守備時には引いて5バックを形成する。この日は、インサイドハーフに中里と渡邊一を起用。昨季終盤に定位置を確保していた齋藤功と瀬沼より、守備の計算が立つ中里と渡邊を選んだところに、開幕戦を迎えるにあたって慎重に入ったタヴァレス監督の意図がうかがえた。
途中出場となった齋藤功は、昨シーズン途中からの活躍で自信をつけたようで、今季は最初から戦力になってくれそうだ。気がかりなのは、昨季ラスト数戦で調子を落としていたイバのパフォーマンスが、この試合でも今ひとつだったことだ。前を向いてゴールに迫るシーンはあまりなく、ボールが収まらないため攻撃の起点としても機能しない。年齢による衰えとは考えたくないが……。大きな武器となっていた右ウイングバックの北爪のスピードも、この日の長崎が封じたように、どの相手クラブも対策を練ってくるだろう。なにかひと工夫加えるか、あるいは中山の起用もありか。
ひとつ戦術面での、昨年との違いをあげると、最終ラインでのビルドアップの際に、何度か南がペナルティエリアを出てボール回しに参加していたこと。この試合では、大きな効果は見られなかったが、今後どのように進化していくのかは注視していきたい。
試合自体は、ほとんどの時間帯で横浜FCがボールを支配し主導権を握り、長崎の時間帯は30分過ぎから前半終了までぐらい。ただ、横浜FCもチャンスは作ったが、決定機らしい決定機はなく、長崎のDF陣が奮闘した。内容的にはスコアレスドローが妥当だったが、田代の無駄な退場をきっかけに、C・ヨンアピンのイージーなクリアミスから失点し敗れた。
次のホーム山形戦で勝点3を奪えるかが序盤のチームの浮沈のカギを握ることになるだろう。そこでスタートダッシュにつまずくと、悪い流れを引きずり続けることにもなりかねない。また、開幕戦では出番がなかったが、クラブの期待も大きい大卒ルーキーの台頭があれば、勢いもつくはずだ。
文●二本木昭(フリーライター)