路上で物乞い、13歳で父を亡くして大家族を養うと決意…フランス代表CBが衝撃告白 「僕は本当の飢えを知っている」

2019年02月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

パリSGやリバプールを渡り歩いたCBの告白

フランス代表としてもワールドカップでプレーした経験を持つサコ。そんなトッププレーヤーには壮絶な過去があった。 (C) Getty Images

 クリスタル・パレスに所属するフランス代表CBママドゥ・サコが明かした、自身の生い立ちが話題となっている。

 現在29歳のサコは、若くして類まれな才能を評価されてきた。

 13歳になる2002年にフランスの超名門パリ・サンジェルマンの下部組織に入団すると、2007年2月14日に行なわれたUEFAカップのAEKアテネ戦で17歳にしてトップチームデビュー。同年の10月には同クラブ史上最年少でキャプテンマークを巻き、リーグ・アンでデビューも飾った。

 フランス代表としても各年代別代表に選ばれ続け、2011年11月17日のイングランド戦でA代表デビュー。2014年のブラジル・ワールドカップでは、主力として4試合に出場した。

 2013年の夏にリバプールへ移籍して約3年間プレーすると、2017年の夏からはクリスタル・パレスでプレーしている。

 このように有力クラブを渡り歩くキャリアを見ると、何ら苦労のなくここまでたどり着いたようにも思われるが、実はその人生は非常に壮絶なものだった。

 英紙『Daily Mail』でサコは、「僕はパリのストリートにいて、『お金を恵んでくれ』と頼んでいたんだ」と、驚きの自身の生い立ちを告白している。

 フランスでセネガル人の両親の間に7人兄弟の4番目として生まれたサコ。しかし、生活は厳しく、パリでは住居を転々とするような生活をしていたという。そして、13歳で父親が亡くなり、生活はより一層、困窮を極めたという。

「僕はパリのストリートで、物乞いをやっていたんだ。ある女性は、僕をまるで泥棒のように見て、自分のバッグを手元に抱え込んだ。あれはショックだったよ。僅かなお金でパンを買いたかっただけなのに、彼女は僕がバッグを盗むと思ったんだ。

 その日から、僕は自分自身と約束したんだ。『見ろ。今日の僕はお腹が空いている。それを見た彼女は、僕が何か悪いことをすると思ったみたいだ。でも、もし僕が何者かになって持つ者になった時、人に与えられるようになれ』ってね」

 さらに、「僕は、本当の飢えと寒さが何たるかを知っている。食べるために小銭を要求していた。それが小さい頃の僕の人生だ」と続けたサコは、13歳で父を亡くした当時のことも回想している。

「13歳の時に父を亡くし、僕は『サッカー選手にならなきゃいけないんだ』とハッキリと自覚した。僕にはすぐに、家族を養うという責任が圧し掛かった。そこから"男の子"から"男"になったんだ。僕にとって、サッカー選手になることは目標ではなく、義務だったんだ」

 壮絶な生い立ちを語ったフランス代表は、昨夏にアフリカの8か国を訪問。さらに自身のルーツであるセネガルに、父親の名を冠にした『スレイマヌ・サコ』という孤児院を建設するなど、慈善活動に勤しんでいる。

 その積極的な活動に関して、「単にアフリカへ小切手を送るだけじゃダメなんだ。辛い人生を送っている彼らに希望を与えるため、出向くことが重要なんだ」と力説した。

 引退後の生活については、「とにかく勉強するよ。挑戦するのが、政治なのか、慈善活動なのか、それとも映画作成なのかは分からないけど、なんでもあり得るよ」と話すサコ。遠くない未来に訪れるであろう、彼のセカンドキャリアにも注目したい。
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