【セルジオ越後】イニエスタ、L・ダミアンら今季の目玉は助っ人ばかり…日本人は大人しすぎるよ

2019年02月26日 サッカーダイジェスト編集部

ヴィッセルが売り出した1試合30万円のVIPチケットだって…

L・ダミアン(9番)など強力助っ人が目を引く一方で、日本人は大人しい。奮起に期待したい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 2019年シーズンがスタートしたけど、今年は日本サッカーにとってある意味正念場になる気がするよ。
 
 ACLではアントラーズとサンフレッチェがプレーオフで勝利して、本選への出場を決めた。ただし格下相手に快勝したアントラーズはいいとしても、心配なのはタイのチェンライ・ユナイテッドにPK戦の末にようやく勝ったサンフレッチェの状態だ。
 
 もちろんタイのレベルが上がっているのは重々承知している。それでもPK戦にもつれるほどチーム力が均衡していたわけではないはずだ。プレーオフで苦戦しているようでは、この先が思いやられる。
 
 1月のアジアカップでも日本代表が準々決勝まですべて1点差の勝利と、手を焼いた。こうした不甲斐ない内容の試合が続けば、アジア諸国との差が縮まっているのは、単に周囲が強くなっているのではなくて、日本の実力が衰えてしまっているのではないかと、そんな意見が出てきてもおかしくはない。

 停滞感の原因のひとつは、日本全体の意識の低下ではないか。例えばアジアカップの決勝でカタールに1−3で惨敗して優勝を逃しても、国民はみんな「あーあ」と言って肩を落としただけで、それきりだった。敗因を分析するようなメディアはいくつあった? ほとんどなかったよね。
 
 昨年のロシア・ワールドカップでもそうだった。グループリーグを突破してベスト16に進出した時にお祭り騒ぎになっても、敗れれば、すぐ次の話題にいってしまう。試合ごと、大会ごとに反省を繰り返さなければ、強化にはつながらないよ。今の日本からは、アジアで2位に終わった現実を糾弾するような厳しさが感じられないんだ。
 
 今季のJリーグを見ても、日本人の存在感が一層薄れている気がする。メディアで多く取り上げられるのは、ヴィッセルのビジャ、イニエスタ、ポドルスキの3人に加え、フロンターレのL・ダミアンやグランパスのジョー、サガンのF・トーレスとクエンカといった助っ人ばかり。
 
 ヴィッセルが売り出した1試合30万円のVIPチケットに買い手がついたと話題になったけど、これだって有名なスター選手が間近で見られるからであって、日本人が1番の目当てではないはずだ。

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