香川真司、必殺スルーパスで得点演出も…3点差を追いつかれたベジクタシュはダービー勝利ならず

2019年02月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

必殺のスルーパスで得点シーンを演出した香川

3点目を生み出した直後にはチームメイトのヴィダと喜びを分かち合った香川だったが、ベジクタシュは惜しくも勝利を掴むことができなかった。 (C) Getty Images

 現地2月25日、トルコのシュペル・リギの第23節が行なわれ、ベジクタシュは本拠地でフェネルバフチェとの"イスタンブール・ダービー"に臨んだ。

 現在3位のベジクタシュは来シーズンのチャンピオンズ・リーグ出場権獲得、一方の降格圏の16位ブルサスポルと同勝点の15位につけるフェネルバフチェは残留と、互いに目標達成のために落とせないダービー。そんな一戦でベジクタシュの日本代表MF香川は移籍後初スタメンを果たし、4-2-3-1のトップ下で起用された。

 欧州でも指折りの熱狂度を誇るダービーというだけあってキックオフ前からスタジアムが異様なムードに包まれるなか迎えた試合は、立ち上がりからサポーターの雰囲気に後押しされた両軍が激しくマッチアップするシーンが続いた。

 そのなかで先手を取ったのはホームチームだった。10分、敵陣右サイドで得たFKからキッカーの香川が高精度のボールをエリア内に供給。これが相手DFに当たってファーサイドに流れると拾ったヴィダが再びゴール前に折り返し、最後はギョニュルが押し込んだ。

 幸先よく先制したベジクタシュは18分にも絶好機を得る。エリア内でギョニュルが相手DFカルドゥルムと接触したプレーが一度は流されるもVAR判定の末にPKに覆り、これをユルマズが難なく決めて追加点を奪取した。

 その後も主導権を握り続けたベジクタシュは前半終了間際にさらに得点を重ねる。前半アディショナルタイム2分、ハーフウェーライン付近で香川が前線へスルーパス。これに反応したユルマズが一気にゴール前まで持ち運んで冷静に決めた。
 
 前半に大幅なリードを許したフェネルバフチェは後半に反撃を開始する。

 まずは55分、右サイドを攻め上がっていたディラールのグラウンダーのクロスをザイツが押し込んで1点を返すと、61分には敵陣右サイドでのFKからゴール前に上がったCBのチフトプナルがヘディングで押し込んでゴールネットを揺らした。

 あっという間に1点差としたフェネルバフチェはその後も怒涛の攻撃を続け、ついには同点弾を叩き込む。67分、相手ゴール前でボールを持ったカルドゥルムが無回転の弾丸ミドルを決めたのだ。

 激しいラッシュを打ちこまれて同点とされたベジクタシュは、前半のように香川を起点に攻撃を仕掛けるも、その意図はフェネルバフチェの守備陣に読まれ、タイトなチェックに阻まれてしまう。

 それでもホームで何としても勝利したいベジクタシュは74分にカレスマを投入。これで再び攻勢を強めると79分にはそのポルトガル代表MFのクロスにユルマズが合わせたが、渾身のシュートもポストに嫌われて得点には至らない。

 試合終盤に入って互いに攻め合ったことでオープンな展開となるなか、奮闘を続けていた香川は84分にペクテメクとの交代でベンチに退いた。

 後半のアディショナルタイムが7分も取られたこともあり、最後の最後までどちらに転ぶか分からないダービーマッチらしい緊張感のある展開となった試合は、結局、3-3のまま終了。前半に3点を決めていたベジクタシュにとっては、2位ガラタサライとの勝点差が5に広がり、悔やまれる結果となった。
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