「ピルロ2世」ではなく「デ・ロッシ2世」。イタリア18歳新星の特徴とは?

2019年02月25日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

憧れたのはピルロではなくガットゥーゾ。

18歳ながらアッズーリ入りしたトナーリ。写真:Alberto LINGRIA

 昨年11月に18歳ながらイタリア代表入りするなど台頭著しいのが、セリエBのブレッシャに所属するMFサンドロ・トナーリだ。
 
 同じブレッシャ育ちのMFで、長髪のヘアスタイルが似ている関係もあり、巷では「アンドレア・ピルロ2世」と呼ばれているが、イタリア・サッカー連盟の育成年代代表統括コーディネーターとしてその成長を見守ってきたマウリツィオ・ヴィシディ氏によれば、ピルロとはややタイプが異なるという。
 
「トナーリはピルロのように際立ったプレービジョンやゲームメークのセンスを持っているわけではない。テクニックは安定しているが、ハイプレッシャー下でのパスワークにはまだまだ改善の余地があり、ビルドアップの中核を担うレジスタ(司令塔)の役割は現時点で少々荷が重いだろう」
 
 実際、トナーリ自身にとっても、子供時代からのアイドルはピルロではなく、まったく正反対のタイプであるジェンナーロ・ガットゥーゾだったという。
 
「ガットゥーゾがアイドルだったのは、もちろんテクニカルな側面ではなく、常に全力を尽くしてチームのために戦うファイターというメンタルの側面に憧れたのだろうが、守備の局面での振る舞い、フィジカルコンタクトを怖れず果敢にボールを奪いにいく姿勢には、たしかにガットゥーゾの影響が見られる。よってトナーリのプレースタイルは、ピルロとガットゥーゾを折衷したようなダニエレ・デ・ロッシにずっと近い。2世という呼称を使うならば、『ピルロ2世』ではなく『デ・ロッシ2世』と呼ぶべきだ」
 
 このトナーリは国内外のビッグクラブが注視しており、来シーズンはセリエBからトップリーグに活躍の場を移すことが確実視されている。
 
取材:片野道郎
※好評発売中の『ワールドサッカーダイジェスト3月7日号』より一部転載。同号の特集は「2000年代生まれのニューヒーロー」で、新世代の逸材を一挙に紹介・分析している。
 
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