「どこまでいけるか…」と不安を抱えながらも最終盤に2ゴール!古巣復帰戦で結果を出した武富の支えとなったのは…

2019年02月26日 佐藤香菜(サッカーダイジェスト)

今シーズン、90分フル出場したのは今節が初めてだった

開幕戦で2得点を挙げ、得点ランキング1位(同位ほか2名)に名を挙げた湘南の武富孝介。写真:田中研治

[J1リーグ1節]湘南2-0札幌/23日/BMWス
 
 いよいよ2019年シーズンのJ1&J2リーグが開幕した。
 各クラブのサポーターにとっては、待ちに待った"Jリーグのある週末"のスタートだ。
 
 今季を占う意味でも見逃せない開幕戦が各地のスタジアムで行なわれ、昨季ルヴァンカップ覇者の湘南ベルマーレは、ACL圏内を狙う北海道コンサドーレ札幌をホームShonan BMWスタジアム平塚に迎えた。
 
 湘南は、5シーズンぶりにチームに戻ってきた武富と中川が2シャドーでスタメン入り。同じく古巣復帰組の古林や、新加入の指宿と大橋はベンチスタートとなった。
 試合は前半、ボールを保持する時間の長い札幌にチャンスが多かった。24分にFWジェイ、36分にはMF菅に、ともにエリア内でシュートを狙われる危険なシーンがあったが、湘南はGK秋元とDF坂がピンチを防いだ。一方、攻撃ではカウンターのチャンスや、MF杉岡とMF松田がそれぞれシュートを放つ場面もあったが、なかなか決定機は作れずに、前半を0-0で折り返す。
 
 流れを変えたのは、5年ぶりに湘南に復帰したFW武富だった。
 
 82分、右サイドのFW山﨑からパスを受けたDF山根がゴールライン際までボールを運び、ゴール前に詰めていた武富へラストパス。武富は混戦の中、相手GKからこぼれたボールに倒れ込みながらも左足をのばし、ゴールへ押し込んだ。

 さらに90分、MF岡本が左サイドから中央へボールを上げ相手DFがクリアしたボールに山﨑が反応し、ペナルティマーク付近に構えていた武富へパス。武富は左足で冷静にゴール左上へシュートを沈めた。

 この2点目がダメ押しとなり、試合は2-0で湘南が勝利を収めた。

「(今シーズン)90分出るのは初めてだったので、どこまでいけるかなと思った」。貴重な開幕戦勝利に大きく貢献した武富だが、試合前には不安もあった。「だけど、スタジアムの雰囲気やサポーターの熱気(のおかげ)で、しっかり走り切ることができた」と、サポートの大きな声援が支えとなったことを明かした。

 また曺監督は、「最後の最後まで足が止まらない、アイツらしいプレーが非常にチームを勇気づけた」と賛辞を送った。

 今週末に行なわれる2節はFC東京を迎え、再びホームでの戦いとなる。

 サポーターの力強い声援を受け、古巣へ帰ってきた武富は、さらなる活躍を果たしてくれることだろう。週末のJリーグが楽しみだ。
 
取材・文●佐藤香菜(サッカーダイジェスト編集部)
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