「完璧な出来栄えだ!」アルバセテ県が英雄イニエスタの“銅像デザイン”を発表

2019年02月23日 サッカーダイジェストWeb編集部

伝説のボレーゴールから10年の節目に

J1開幕戦で神戸はC大阪に敗れたものの、イニエスタ自身のコンディションは良好そのもの。2年目の今季も数え切れないほどの妙技を披露してくれそうだ。(C)SOCCER DIGEST

 2月22日、スペインの首都マドリード南西に位置するアルバセテ県が記者会見を開催した。内容は、「メモリアル銅像」のデザインと作成するアーティストの発表である。

 アルバセテと言えば、ヴィッセル神戸所属の元スペイン代表FWアンドレス・イニエスタの生まれ故郷。ほかでもない、その郷土の英雄を模した銅像が建立されるのだ。

 今回のコンペに参加したのは12の作品で、そのうち7つが最終選考に進んだ。そして栄えあるトップ評価を得たのが、彫刻家ハビエル・モリーナ・ヒル氏の力作である。デザインは、イニエスタがボレーシュートを撃ち込むジェスチャー。再現されているのは2010年南アフリカ・ワールドカップ決勝のオランダ代表戦で、イニエスタが決めた伝説的な決勝ゴールのシーンだ。そもそも銅像は2020年7月20日にお披露目される予定で、2010年ワールドカップから10周年を記念して建てられるもの。つまりデザイナーたちは、あの名ゴールをいかにして再現するかに全力を注いだのである。

 県知事のマヌエル・セラーノ氏は会見で「銅像はすべてにおいてアンドリューを忠実に描いたものでなければならない。彼の謙虚さ、単純さ、そして献身性を反映するものだ」と説明し、「その意味でモリーナ氏の彫刻は完璧な出来映えだろう」と、同作品を称えた。

 
 モリーナ氏はバレンシア出身のスペイン人。今回のコンペは国際的な彫刻賞『フリオ・パスクワル』が主催したもので、賞金1万5000ユーロ(約195万円)を手にし、さらに等身大でリアルサイズの完成品を仕上げるために、4万5000ユーロ(約585万円)の資金を得るという。設置場所は市民の憩いの場所である、アベラルド・サンチェス公園の一角だ。

 ちなみにサッカーを本格的に始めたイニエスタが、8歳の時に入団したのがアルバセーテ・バロンピエ。一時は深刻な経営危機に陥ったが、2011年にイニエスタが巨額のポケットマネーで資金援助するなどして、なんとか窮地を脱したのは有名な話だ。現在はラ・リーガ2部に属し、2月22日時点で首位に立っている。14年ぶりの1部昇格まであと一歩だ。

 金曜日のJ1開幕戦でセレッソ大阪に敗れた神戸。自身のインスタグラムで「最高のスタートにはならなかったけど、ハードワークを続けて次の試合では勝利を掴むよ。頑張ろう」と決意を新たにしたイニエスタにとって、銅像デザイン決定のニュースは背中を押す良き知らせともなったはずだ。

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