【ACL展望】広島×チェンライ・U|パトリックはベンチスタートか。若手主体の大胆布陣で本戦切符を勝ち獲る!

2019年02月18日 中野和也

青山、稲垣、林が怪我で出場回避へ

故障者/広島=青山、稲垣、林
出場停止/広島=なし

ACLプレーオフ
サンフレッチェ広島-チェンライ・ユナイテッド
2月19日(火)/19:00/広島広域公園陸上競技場
 
サンフレッチェ広島
2018年成績(J1):2位 勝点57 17勝6分11敗 47得点・35失点
 
【最新チーム事情】
●フォーメーションを3-4-2-1に変更。2トップの可能性も。
●エースのパトリックはベンチスタートか。
●若手起用に軸足を置き、多数の若者たちがメンバー入りか。
●ボール保持率を高め、主導権を握った戦いを。

【担当記者の視点】
 メンバーをあえて固定せず、ギリギリまで競争原理の真っ只中に選手たちを置いた城福浩監督の戦略。昨季は11人の平均年齢が30歳を超えたこともあったが、ACLプレーオフの予想布陣は25.2歳。指揮官の今季に臨むにあたっての考え方が、この布陣の組み方からも垣間見えると言っていい。
 
 パトリックや柴﨑といった計算できる選手も先発可能ではあるが、両者ともコンディション問題からキャンプでは多くの時間を別メニューで費やしており、90分のプレーはトレーニングマッチでも経験していない。「90分の計算がたたない選手の起用については、様々な考え方がある」と指揮官も語っていたが、負けたらACL本大会出場がなくなるサバイバルマッチでは、何よりも先制点が必要であり、先制点を与えたくないという発想もある。
 
 試合前々日に足の違和感もあり別メニューを選択したD・ヴィエイラのコンディションについては確かに微妙ではあるが、トレーニングを見る限り大きなトラブルではない。とはいえ、「長いシーズンを考えて彼をどう起用するか、ギリギリまで考える」(城福監督)ということ。となると、彼を含めた3人の主力をどう起用するか、それが試合の鍵を握るのではないか。彼らを先発させて一気に先制を狙うのか、それとも温存してまずはゲームを落ち着かせ、勝負どころで投入するか。
 
 チェンライ・ユナイテッド(タイ)は元韓国代表のイ・ヨンネを中心にセットプレーとカウンターの鋭さが特徴のチームで、タイのカップ戦2冠と実力も十分。それでもセカンドラウンドのヤンゴン・ユナイテッド(ミャンマー)戦ではゴール前のマークにルーズなところも見える。プレシーズンでやっていたように、サイドで起点を作って相手を広げたところで中央に切り込めば、十分に決定機を演出することは可能。ただ「先制点を許せば厳しくなる」(川辺)ことも確かで、戦略としてはまず相手にスキを与えないことが何よりも優先される。もちろん城福監督もそこは考慮済みであり、そのうえでどういうチームを構築するか。選択肢としては様々な形が用意されている。あとは決断するのみだ。

取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)
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