札幌ミシャ監督が感じたアジア勢力図の変化。タイ代表で奮闘したチャナティップへの評価は?

2019年02月15日 長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

今大会の優勝候補は韓国、オーストラリアと見ていたが…

キックオフカンファレンスでさらなる躍進へ自信を見せたペトロヴィッチ監督。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 Jリーグのキックオフカンファレンスが2月14日、東京都内で行なわれた。
 
 昨季4位と大躍進を遂げた北海道コンサドーレ札幌からは、ペトロヴィッチ監督と昨季のJリーグベストイレブンに選出されたチャナティップが出席。指揮官は、今季も標榜するアタッキングフットボールで「よりゴールシーンの多いゲームをお見せしたい」と、エンターテイメントに溢れたサッカーを目指していくことを強調した。
 
 今季の目標や展望についての質問が数多く飛ぶなか、チャナティップもタイ代表として出場したアジアカップについての印象を問われると、次のような感想を述べている。
「やはり、たいぶレベルが拮抗しているのは間違いないだろう。以前は東南アジアやアラブ諸国は、そこまで強いとは思っていなかったが、アジアカップを見た限りでは全体的なレベルが底上げされた印象だ」
 
 さらに、アルモエズ・アリをはじめ有能な若手を擁してカタールが初優勝を飾った大会を振り返り、「カタールが優勝するというのは、誰も予想していなかったと思う。やはり優勝候補は韓国、もしくはオーストラリアだったと思うが、この2強は早々に敗れた。もちろん日本が決勝まで残れたことは良かったが、アジアの全体的なレベルは上がっている。どのチームも簡単には勝てなくなっているが、これはここ最近の世界的な傾向でもあると思う」と、アジアの勢力図が変わりつつあることを感じとったようだ。
 
 なかでもペトロヴィッチ監督の興味を引いたのは、日本も大苦戦を強いられた東南アジアの雄だ。
「ベトナムも非常に面白いチームだった。選手もレベルを上げているし、そういう意味では、今後東南アジアの選手がJリーグに来て活躍する機会がさらに増えるのではないかと思っている」

 8強入りと快進撃を見せたベトナムをはじめ、チャナティップを擁するタイがベスト16入り。フィリピンも韓国に善戦するなど爪痕を残した。こうした活況を呈する東南アジアからJリーグへの参戦が増えれば、より「知名度も上がり、東南アジアでのJリーグの価値も高まっていくだろう」と展望を語る。
 

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