【京都】今季はストライカー・闘莉王を見られない!?キャンプから紐解く”闘将”の起用法

2019年02月11日 雨堤俊祐

可変システム導入に伴い、闘莉王に与えられたポジションは...

光州FCとのトレーニングマッチではアンカーに入った闘莉王。守備時にはCBに降りてプレーし、幅広い役割を担った。写真:雨堤俊祐

 2010年以来のJ1復帰を目指す京都サンガは沖縄でキャンプを行なっている。今季からチームを指揮する中田一三監督のもとでスタートを切ったチームは、2月9日には韓国2部リーグ(Kチャレンジリーグ)の光州FCと練習試合を行なった。ゲームは45分ハーフの形式で2本実施。新体制下での主力と思われる選手が多くピッチに立った1試合目は2-1、2試合目も2-0で勝利している。
 
 その2試合目で頼れる男が沖縄キャンプで始めて実戦投入された。コンディションの問題で出遅れていた田中マルクス闘莉王だ。
 
 京都加入後の2シーズンはFW起用が多かった闘莉王だが、スタメン出場したこの試合では守備的な役割を任されて最終ラインと中盤の底でプレー。ディフェンスでCBをサポートして空中戦の強さを発揮すれば、マイボールになってからは味方からのパスを引き出して、サイドチェンジや前線へのロングフィードで攻撃を展開した。
 
 34分で交代となり、本人も試合後に「(コンディションは)まだまだです。(2週間後の開幕まで)精一杯がんばります」と言葉少なにバスへ乗り込んでいったものの、カウンター時に自ら前線へ攻め上がるなど"らしさ"を発揮。復帰初戦としてはまずまずのプレーで試運転を終えた。
 
 そんな闘莉王に対して中田監督はプレー面に加え、「回りの選手を動かせる」とピッチ上でのリーダーシップにも期待を寄せている。同時に「チームとしての約束事は誰であろうとやってもらうのが前提。その中で個性を発揮して欲しい。そこは要求していく」と話しており、他の選手と同様に起用に向けてはクリアすべき基準を設けているようだ。
 
 そのなかで闘莉王は光州FC戦で守備的な役割を担ったが、その背景には可変システムの導入がある。光州FC戦では守備時は5-4-1、攻撃時は最終ラインの中央の選手が一列前へ上がって4-1-4-1へと変化させて戦った。

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