【G大阪】王者・川崎を相手に明確となった今野泰幸の必要性。サブ組からの復調は開幕までの最重要案件だ

2019年02月10日 飯間 健

川崎戦では巧みなパス回しに翻弄され、狙いの縦に速い攻撃は鳴りを潜める

キャンプではサブ組に甘んじた今野だが、自身も納得済みの状況。開幕に向けてコンディションを上げていく。写真:滝川敏之

 ガンバ大阪は2月9日、沖縄キャンプ総仕上げとなる練習試合・川崎フロンターレ戦(45分×4本)に臨んだ。主力組同士の戦いとなった2本目までにG大阪が奪った得点はアデミウソンのPKのみで、内容も乏しい1-3。だが宮本監督は「現時点での力を測ることができた」と前向きに捉えた。

 2年連続のJリーグ王者相手に明確となったことがふたつある。ひとつはMF今野泰幸の必要性。もうひとつは川崎対策の必要性だ。

 この試合、ボランチはFC東京戦に続いてMF遠藤保仁とMF矢島慎也がスタメン出場した。パスセンスに溢れるバランサー型の2枚を並べたが、逆に川崎の巧みなパス回しに翻弄され、縦に速い攻撃も鳴りを潜めた。

 リズムが作れなかった要因はボール奪取の位置。「もう少し高くしないといけない」と宮本監督が振り返ったように、自陣ゴール前まで押し込まれる展開となり、結果、「どうしても前にFWの2人しかいないと孤立させてしまう」(遠藤)。ボールを自分たちで動かせたFC東京戦では、矢島も遠藤も攻守で良さを発揮していただけに、この1試合だけで短絡的に"機能不全"の烙印を押すつもりはない。対戦相手との相性の問題で、パス回しに長けた川崎や名古屋などの相手には中盤でボールを奪いきれる今野がいた方が攻守で躍動感を作っていけるはずだ。
 
 さて、その今野。川崎戦も含めて沖縄キャンプの2試合ではともにサブ組扱いとなっている。ただ、これもふたつの要因が重なっている。ひとつは今野自身に若干の疲労が溜まっていること。キャンプを通じて、さすがのボール奪取能力を見せていたが、今野自身は「コンディションが上がってこない」と口にしている。
 
 もうひとつはすでに「遠藤×今野コンビ」の実力は立証済み。試合後、指揮官に"違った組み合わせで川崎にどれだけできるのかを見たかったのか、それとも今野の状態によるチョイスだったのか"を尋ねたところ「両方です」と返ってきた。「今の状況(サブ組)には納得している」と今野は受け止めているものの、不可欠な戦力なだけにコンディションが上がってくるかは開幕までの最重要案件だ。
 

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