【プレミアの知られざるリーダーたち①】マンUで年長選手にも食って掛かるパーソナリティーの持ち主|リンデロフ

2019年02月08日 内藤秀明

赤い悪魔に誕生した待望のリーダー

スールシャール新監督も期待を寄せるリンデロフ。(C)Getty Images

 近年のマンチェスター・ユナイテッドが抱えてきた大きな問題の一つが、絶対的なリーダーの不在。強い時代のチームには、ロイ・キーンやリオ・ファーディナンドなど強烈なリーダーシップを発揮して組織を束ねる頼りになるキャプテンが存在した。

 そんな悩める「赤い悪魔」に、待望の新リーダーが誕生しつつある。それがスウェーデン代表CBのヴィクトル・リンデロフだ。

 2017年夏に同胞ズラタン・イブラヒモビッチのお墨付きで加入するも、待っていたのは茨の道だった。身長こそ187センチと低くないものの、身体能力はプレミア基準では平均レベル。空中戦を含めた対人プレーで劣勢を強いられるなど適応に苦しみ、1年目は17試合の出場に留まった。
 
 しかし2年目の今シーズン、徐々に才覚を示し始めている。対人戦にまだ課題はあるものの、ミスが激減し、自信を深めた24歳は的確なカバーリングとコーチングで最終ラインを統率。リーダーシップを発揮しているのだ。

 18年11月のマンチェスター・ダービーの敗戦後には、不甲斐ないパフォーマンスに終始した年長の複数の選手に向かって、食って掛かるパーソナリティーの強さを見せてモウリーニョ前監督を驚かせたという。

 自身に不足する要素を貪欲に吸収しようとするプロフェショナルな姿勢をチームメイトやオレ・グンナー・スールシャール監督も認めており、このまま順調に成長すれば、身体能力のビハインドを跳ね返し、往年の名手にも匹敵する絶対的なリーダーとして最終ラインを支える存在になるかもしれない。

文・編集●内藤秀明(サッカーライター)&プレミアパブ編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2019年2月7日号より転載
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