「あとは書類を提出するだけだったが…」 スペイン2部クラブが柴崎岳の獲得に“失敗した経緯”を明かす

2019年02月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

移籍市場のクローズ直前まで交渉は続いたが…

アジアカップの連戦で調子を上げていたように見えただけに、残念な一報となった。 写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 香川真司、乾貴士、中島翔哉――今冬、新天地を求めて移籍した日本人選手のリストに、本来はもうひとり、名前が加わるはずだった。

 現在ラ・リーガのヘタフェに在籍している、柴崎岳。クラブでは定位置確保に至らず、出番に恵まれていない。そのため、今冬に移籍するのではないかと予想されていた。

 しかし、欧州の移籍市場がオープンとなる1月、UAEで開催されたアジアカップに参加していた柴崎は、とくに目立った報道もなくマーケットがクローズする1月31日を迎えた。当日になってスペイン全国紙『MARCA』などが「柴崎のサインはまだか」と急かすような内容を報じ、交渉があったことが窺われたが、続報はなく、ヘタフェ残留が決定的となった。

 この件について、ラ・リーガ2部デポルティボのカルメロ・デル・ポゾSD(スポーツディレクター)は「ガクを獲得する寸前だった。だが、契約には至らなかった」と明かしている。スペインの『AS』紙や『La Vanguardia』紙などが報じた。

 デポルティボは1月20日、柴崎サイドと話し合う場を設け、獲得の意思を示していた。完全移籍に必要な移籍金は「2部のクラブにはとても出せない金額」だったことから、ひとまずはレンタルでの加入ということで交渉を進めていたという。

「(1月)28日にもヘタフェと話し合いをし、柴崎に対して(他クラブからの)オファーがないことを確認した。翌日には、買い取りオプション付きのレンタル移籍で、クラブ間、そして選手サイドとの合意に達していた。選手は不在だったが、アジアカップの大会中にサインは済んでおり、最終日である31日の夜11時には彼自身が署名した書類もすべて整っていた。あとは提出するだけだった。だが、契約成立には至らなかった」

 こう語ったポゾ氏は「私は交渉においてはフランクに、ダイレクトに行なうべきだという考えなので、手の内を隠したりしない。本人がこの移籍を望んでいたことも、ヘタフェが市場が閉まる最後の1分までサインしようとしていたのも確か。(破綻に終わったのは)おそらくクラブでも本人でもない"第三者"のせいだろう」と語った。

 また、移籍市場ではあり得ないことではないとし、「クラブ間に遺恨はない」ともコメントしている。

 アジアカップを戦い終えた柴崎はスペインに戻り、クラブの練習に参加している。森保ジャパンのアジアカップ準優勝に貢献した日本代表MFは、ヘタフェで活路を見出すのか、あるいは来夏に再び新天地を求めることになるのか。
 
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