「活動資金はゼロだった!」「日本戦はカタールがいなければ…」アジア杯でイランを率いた智将が衝撃告白!

2019年02月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

「イラン・サッカーの未来は明るい」と語った智将の本音

ヨーロッパでの監督経験を経て、2011年にイランに就任したケイロス。8年に及ぶ監督生活は楽なものではなかったようだ。 (C) Getty Images

 イランをアジア屈指の強豪へと引き上げた指揮官が衝撃の告白だ。

 現地時間2月4日、アジアカップ終了まで約8年にわたってイラン代表を率いたポルトガル人指揮官のカルロス・ケイロスが、複数の母国メディアで、イラン代表がアジアカップ期間中、カタール・サッカー協会から資金援助を受けていたことを明らかにした。その内容を『Fox Sports』のアジア版が伝えている。

 現在65歳のケイロスは、2011年にイランの監督に就任。それから8年間の長期政権を築き、同国を2度のワールドカップに導くなどの実績を残した。

 先のアジアカップでイランは、準決勝で日本代表に0-3と敗れ、ベスト4敗退に終わったが、それまでは無失点で無敗という圧倒的な強さを見せつけていた。そして、ケイロスは大会後に「イラン・サッカーの未来は明るいと思う」と語って退任を発表。コロンビア代表の次期監督に就任することが秒読みと見られている。

 イランの未来をポジティブに見通していたポルトガル人指揮官だが、大会後、母国メディアのインタビューにおいて、アジアカップ期間中にイランが同国政府から資金援助を受けられなかったことを告白。その肩代わりをカタール・サッカー協会にしてもらっていたことを明かした。
 
「カタールのサッカー協会が助けてくれなければ、我々には何もなかった。大会前の合宿も、準備も、練習試合もなかっただろう。カタールが全てを払ってくれたんだ。我々の最後の試合は、カタールがスタジアムやピッチ、両方の代金を支払ってくれた。イランは何も持っていないからね。全くのゼロだ!」

"アジア最強"と呼ばれるまでの強豪国となっていたイランの、衝撃的な裏事情を明かしたケイロスは、「今も多くの悪い感情が私の中に渦巻いている」としながらも、「私はチームと働き続ける必要があった。選手とスタッフと、だ」と語気を強めながら訴えた。

「我々は問題がなかったと嘘をつくことはできない。あそこにいる全ての者に問題がある」

 8年間に及ぶ長期政権での苦悩を吐露したケイロス。その赤裸々な告白は、大きな波紋を呼びそうだ。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事