【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|東山編

2014年09月08日 森田将義

インターハイ予選を機にシステム、スタイルを変えるも結果は生まれず。

東山
所在地:京都府左京区永観堂町51
創立:1868年 創部:1968年
(C) SOCCER DIGEST

「同じ相手に二度、負けることはないと思う」
 開幕前に福重良一監督が話した見立てとは裏腹に、初参戦のプレミアリーグで待ち受けていたのは厳しい現実だった。初陣となった京都橘戦で勝ち星をあげたチームは、その後の富山一、神戸U-18から勝点1を奪うなどまずまずの戦いを見せていた。
 
 流れが変わったのはインターハイ予選だった。準々決勝で再戦した京都橘を相手に良いところなく敗れた。2年前の選手権予選の決勝で敗れて以来、苦杯を喫し続けている因縁の相手に敗れ、「毎年、橘にいいようにやられてきたし、僕らも負けるのが怖くてシンプルなプレーばかりしてきた。このままではチームとして変われない。選手権に出るために僕らの代で変えたいと思った」と、主将のFW鎌田大地が自ら福重監督にシステム変更を求め、4-4-2から3-4-3へと移行。チームスタイルも、粘り強い守備をベースに縦に速い攻撃を繰り出す堅守速攻型から、後方からパスをつなぐポゼッション型へと舵を切った。
 
 6節の中断明けからは、毎試合ゴールを奪うなど攻撃面に進歩の跡も見られたが、つなぐことに囚われてしまい、自陣でのプレータイムが増加。ゴール前でボールを失う場面が目立ち、6節から9節までの4試合で17失点と守備が崩壊してしまい、勝点を積み上げられなかった。
 連動した守備や、奪われた後を考えたポジション取りができるようになるなど、確かな成長も感じられたものの、「内容は悪くないけど、結果が出ないと自らを信じられなくなる」と福重監督が語るように、成績とともにチームの雰囲気も沈んでいった。
 
 夏休みを挟んだ後半戦からは、従来の4-4-2に戻し、守備の再建に取り組んだ。攻撃面でも鎌田をボランチに下げて、井村泰誓とダブルボランチを組ませることで中盤が安定。状況に応じて長短のボールで変化をつけ、好機を演出する場面などは進化を感じさせるが、福重監督は「鎌田が後ろにいればチームは落ち着くけど、前線の迫力がなくなる。前線に入れば得点の可能性が高まるけど、中盤が不安定になる。プレミアを戦いながら、選手権に向けて誰をどこで使うか選手配置に悩んでいる状態」と話す。

次ページ苦しみを乗り越え、チームスタイルが明確に。

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