「我々はもはやアジアのカリスマではない!」韓国代表の先行きに全国有力紙が危機感|アジア杯

2019年02月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ワールドカップ本大会よりアジア予選を心配せよ」

韓国代表の大砲ファン・ウィジョは大会2得点。だが決勝トーナメントでは不発に終わり、新エースの責務は果たせなかった。(C)Getty Images

 UAEで行なわれているアジアカップ2019。およそ1か月に及んだ激闘も、早や1試合を残すのみとなった。2月1日、アブダビ開催のファイナルで雌雄を決するのは、日本代表とカタール代表だ。

 そんななか、韓国国内ではベスト8で敗退した代表チームを巡る議論が盛んだ。準決勝ではカタールの堅守をなかなか崩せず、1点のビハインドを覆せなかった。大会を通して顕著だったのが、攻撃のこの閉塞感。主将のソン・フンミンや頼みのファン・ウィジョが本領を発揮できず、中盤も創造性を欠いた。長く中軸を担ってきたキ・ソンヨンとク・ジャチョルが大会後に代表引退を表明するなど、今後の強化に暗い影を落としている。

 全国有力紙『スポーツソウル』の論調はこうだ。

「我々は59年ぶりの優勝トロフィーを獲れなかったうえに、アジアにおけるカリスマ性をも失なってしまった。つい最近まで韓国は日本、イラン、オーストラリアとともにアジアを牽引する立場にあったが、もうそれは過去の話。フィリピン、キルギス、バーレーンといったチームにあそこまで苦戦を強いられたのだ。アジアの国々はもう韓国を恐れたりはしない。これからは自信を持って戦いを挑んでくるだろう」

 
 ショートパスを主体としたスタイルを持ち込み、「世界で勝てるチーム作り」を目ざしているのは、ポルトガル人のパウロ・ベント監督だ。だが同紙は、「ディフェンシブに構えた相手に対してなんらアイデアを発揮できず、バックパスや横パスばかりで攻撃が停滞していた」と指摘し、「大会前の親善試合ではコスタリカ、チリ、ウルグアイといった国と戦って成果を得たのは確かだろう。だが、守備を固めたアジアのチームを打破できないのでは話にならない」と吐き捨てた。

 そして、こう警鐘を鳴らすのだ。

「このままでは、来るワールドカップ予選が心配でならない。アジアの国々は今回の韓国をよく分析し、積極果敢に勝ちを狙ってくるだろう。ベント監督が頑固に現在のスタイルのみを追求するなら、厳しい現実が待ち受ける。もちろん、ワールドカップ本大会での躍進が最終的な目標だ。しかし、予選を突破できなければ元も子もない。韓国はアジアでいかに戦うべきかを、今一度再考しなければならない」

 風雲急を告げている韓国代表。世代交代が急務となるなか、いかにして立て直しを図るのか。3月下旬の国際Aマッチウイークでの招集メンバーと指揮官の采配に、注目が集まる。

参照元:『スポーツソウル』
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