【高校選抜】札幌入りは伊達ではない!檀崎竜孔が示した個人スキルの高さと圧倒的な存在感

2019年01月27日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

コンディションは万全でなくとも、指揮官の期待に応えて1ゴール!

山梨学院大戦は4-3-3の左ウイングを任され、変幻自在な仕掛けで自身の良さを余すことなく見せつけた。(C)SOCCER DIGEST

 冬の高校サッカー選手権を制してから早2週間。青森山田の10番として優勝に貢献し、札幌に入団した檀崎竜孔(3年)が異次元の輝きを放った。

 1月24日から27日まで静岡県内で行なわれた高校選抜候補合宿。最終日となった27日は山梨学院大と25分×4本の練習試合を行ない、檀崎は2本目と4本目に4-3-3の左ウイングとしてピッチに立った。
 
「久々の試合だったけど、やれたなと思います」と檀崎が手応えを話したように、得意の個人技で大学生を翻弄。外に張って縦を突くドリブルに加え、中央に入ってボールをキープするなど、変幻自在な位置取りで攻撃に変化をもたらした。

 2本目の10分には染野唯月(尚志/2年)のパスを受けると、GKをかわしてゴールをゲット。そのプレーぶりにチームを率いる市立船橋の朝岡隆蔵監督も「高校選抜に入る意気込みを感じた」と賞賛し、この日の出来に一定の評価を与えた。本人も「去年、僕は同じ選考段階で落ちた。なので、絶対に受かりたい思いが強かった。そこはアピールの場なので、やってやろうと思っていた」と並々ならぬ決意で臨んでいたと胸の内を明かす。

 ただ、現在のコンディションが良いかと言われると、そうではない。新シーズンから加わる札幌はタイでキャンプ中。未だに合流ができておらず、雪に覆われた青森に今も残っている。加えて、昨年末から年頭にかけては優勝を飾った選手権の影響で多忙な日々を過ごした。
 
「優勝してからイベントとかがあって全然できなかった。山田の選手は誰もボールに触っていないです。少しは動いていたけど、ほとんどやってなかったんですよ」

 また、戦術やシステムに対する理解も不十分。朝岡監督は3-4-2-1も併用しているが、檀崎はこの布陣で戦った経験をほとんど持っていない。札幌の練習に参加した際にその並びで戦ったとはいえ、求められている役割が異なるため一からのスタートだ。だが、それでも結果を残せたのは、流石と言うべきだろう。

「札幌に合流するのに、高校選抜から落ちていくのは嫌だ。どうせなら受かって合流したい」とメンバー入りに闘志を燃やす檀崎。コンディションが上がれば、今以上にゴール前での怖さが出てくる。ポテンシャルの高さを示した高校選抜のエース候補は貪欲に上を目指す。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
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