北川航也が味わう生みの苦しみ。若きストライカーは森保一監督の期待、大迫勇也の檄に応えられるか|アジア杯

2019年01月27日 本田健介(サッカーダイジェスト)

全5試合に出場するも結果は残せず

イラン戦に向けて調整した日本代表。北川は次こそ結果を残せるか。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 UAEで開催されているアジカップで、日本代表はここまで5試合を戦ったが、そのすべてのピッチに立ったのは3人だけだ。成長著しCB冨安健洋、左サイドで攻守に貢献する原口元気、そして11番を背負う22歳のストライカー北川航也だ。
 
 もっとも冨安、原口とは異なり、北川にとって今大会は苦しい戦いとなっている。森保一監督からの期待は大きい。それは起用法を見ても明らかだ。初戦のトルクメニスタン戦で指揮官が最初に切ったカードは北川であり、右臀部を痛めた大迫の出場が厳しくなったオマーン戦でCFの代役に指名したのは、多くのメディアが武藤嘉紀と予想するなかで北川だった。
 
 しかしトルクメニスタン戦では相手のPKにつながるボールロストをしてしまい、代表初先発となったオマーン戦では「欲しいタイミングで出てこなかったり、ボール保持者が出したい時に自分が動いていなかったり、合わなかったところがありました」と、良い形でパスを受けられずに前線で孤立した。
 
 その後のウズベキスタン戦でも先発するも、2トップを組んだ武藤がゴールを奪った一方で自身は不発。後半アディショナルタイムに出場したサウジアラビア戦、再び先発したベトナム戦でも結果を残せなかった。
 
 北川の特長と言えば鋭い動き出しとスピードを活かしたフィニッシュワークだが、これはパサーとの息があってこそ。「やり続けていくしか道はないと思います。これで僕が動きを止めたり、プレーしなくなったら合うものも合わなくなってしまう」と本人も試行錯誤を続けてきた。

 森保監督が起用し続けるように能力はある。昨シーズンは清水で32試合で13ゴールを決め、長友も「清水で良いプレーをしているのだから、代表で出せないことはないはず」とその力を認める。ベトナム戦のあとには北川も「縦パスも入ってきているし、そういうところは見てくれているのかなっていう感じがします」と話したように、徐々にだが周囲との連係も合ってきたように映る。
 

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