【セルジオ越後】堂安も南野もDFになってよく守った! ベトナム戦はメンバーを入れ替えないともたないよ

2019年01月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

一方的に支配された。まるでワールドカップの試合を戦っているのかと錯覚するほどだったよ

日本は堂安らがカウンターを仕掛けるも、ゴールにはつながらず。押し込まれる苦しい展開が続いた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 アジアカップのサウジアラビア戦、日本代表はなんとか1対0で勝って準々決勝に進出したね。

 日本は90分を通じて、ペナルティエリアの前にしっかりと強固な壁を作って対応した。コンパクトな陣形を保ちながらも自陣に下がり目のブロックを築いたから、ファハドら相手のスピードがあるアタッカーは、日本の裏のスペースを効果的に突くことができなかった。それでも、サウジアラビアは圧倒的にボールを支配して打開しようとしていたから、日本の選手たちはかなり動かされて、相当消耗したはずだよ。

 最大の勝因は、やはり堂安も原口も南野も攻撃的な選手たちもDFみたいになって、チーム全体が集中力を切らすことなく守り抜いたことだ。最終ラインの中央でしっかりと相手のシュートを跳ね返す壁を作った吉田や冨安の活躍がよく光ったと言えるよね。

 一方で、サウジアラビアも足もとでよくつなぐ割には、日本を脅かすようなシュートがそれほどなかった。パスワークはそこまで変化のあるものではなかったからエリア付近の1対1でしっかり対応できれば十分だったし、シュートもワンテンポ遅かったりで、相手に助けられた部分もあった。
 

 ただし日本も、相手の隙を突いてボールを奪っても、そこから効果的にカウンターを発動できるほどの体力はなかったね。何度か堂安や武藤が飛び出したシーンもあったけど、ちょっと回数が足りない。2列目の選手たちは敵陣からかなり離れた位置で守るような感じだったから、やっぱり攻撃に出て行くのは厳しかったと思う。終盤はボールを奪ってカウンターというイメージもなくなって、とにかくセーフティに、という展開になったからね。

 これまでの日本は、アジアではボールを支配するサッカーをしてきたけど、アジアの相手も質が上がってきて、逆にボールを一方的に支配される展開を強いられるようになっている。サウジ戦はアジアカップじゃなくて、まるでワールドカップの試合を戦っているのかと錯覚するほどだったよ。
 

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